私の外断熱ライフ


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マニュアル

付録
付1断熱用語辞典
付2断熱材性能比較リスト
付3住まいと断熱の掲示板
付4M邸WEB見学会
付5RC外断熱工法と
付6間違いだらけの外断熱に
 
 
私の外断熱ライフ
 RC外断熱工法の建物にお住まいの皆様からの体験談・報告をお待ちし
ています。

M邸(埼玉県三郷市)
2005年12月12日
 M邸は東京外環道三郷JCTに近い埼玉県三郷市の中川に程近い敷地に建つ55坪の新築RC外断熱専用住宅で、12月 8日に竣工検査を終え、14日の引渡しを前に予熱中です。
 予熱中とは言っても約55坪の住宅をリビングに1台しかないエアコンを運転して躯体温度を上げています。

  8日の時点で約10℃前後しかなかったと思われる(温度計がなかったため計測していません)室温を生活できる20℃前後まで上げるには1〜2週間が必要になるだろうと予想していました。

 家の中に何箇所か温湿度計を取り付けていただくようにお願いしておきましたが、四日目の今朝Mさんから嬉しい報告がありました。もう室温が20℃を超えているということです。
 「数日前に 1.2KWのオイルヒータを設置した」ということでしたので温度上昇が加速されたのかもしれませんが、予想を裏切る速さで室温が上がっています。

 和室の畳面と押入の中段で温度差が 0.5℃あるものの、エアコンのある1階と2階では温度差がなく、空気の吹き出しがない2階は「風を感じないのでとても快適だ」、「昨夜も10時過ぎに家族揃って家に入ってみた。外が寒くても家に入ると季節が冬だということを忘れる」と仰っていました。

 これまで室温を上げるためにエアコンの温度設定は30℃にしていたそうですが、エアコンの温度設定を22℃に下げ、オイルヒータはそれより1℃低い21℃にして効率の高いエアコンを主に使うようにお願いしました。

 「長い間窓を開けておくと室温が 5℃下がります。」という報告がありましたが、「冷たい空気が入るときは外気温度の影響を受けますが、窓を閉めると躯体(コンクリート)の熱が空気に移るので暫くすると元の温度に戻ります」とお返事しておきました。


2005年12月14日
 誰もが床暖房を褒めてくれました。 (でも本当はうちに床暖房はありません。)
 今日は引渡しが行われました。2階の寝室に新しい家具を入れるとこれまで気になっていたコンクリート打ち放しの壁の反響音が驚くほど小さくなりました。

 二階の廊下の温度計が示す室内気温は22℃。一階との温度差は僅か 0.6℃しかありません。 180を超える戸建住宅の一階で1台のエアコンを「弱」運転し、途中から 1.2KWのオイルヒータを加えただけで6日間で何とか生活できる室温になりました。

 まだ、基礎部分や建物の隅のコンクリート温度は充分上昇していないようで、多少の温度ムラはありますが予想された性能を示しています。

 換気しながら暖房しているので加湿器を置いていますが湿度が35%ほどしかありません。Mさんは「エアコンを使うと乾燥するのだろうか?」と気にされていました。
 冬の冷たい外気を20℃に暖めると相対湿度は20%まで下がります。入浴したあと湿度がどこまで上がるか確かめていただくこと、必要に応じて観葉植物や熱帯魚水槽を置かれるように提案しました。

 お祝いに来られた親類の方がタイル張りの二階廊下が暖かいので「床暖房が入っているの?」と勘違いをされました。

 親戚の方だけでなく家具の納品に来た家具屋さんも「床暖房は入っているんですか?やっぱり床暖房はいいですね」と床暖房がある家への感想を話してくれたそうです。

 エアコンで暖房しているとお話したとおり、実はMさんの家には床暖房はつけてありません。


2005年12月19日
 朝、Mさんから電話がありました。暖房を入れ始めて約10日。温度設定を23℃(弱)に設定していて室温は家のどこでも約22℃でほぼ一定になっています。
 「家のどこでも」は、二階の天井付近から一階の床までどこでもで、立っても座っても温度の違いがないので、普通の家ではありがちな「『暖房でのぼせる』感じがないと」仰っていました。
 オイルヒータを点けているとちょっと体を動かしただけで汗をかく感じがするのでエアコン1台だけの暖房に戻したそうです。

 エアコンの設定温度を22℃に下げるとエアコンは送風運転になるそうです。まだ35cmもある基礎底版の温度が暖まっていない可能性もあるので床下の温度を測定してこれからの暖房方針を決めることにしました。

 「一週間前まで住んでいた仮住まいの枠組工法のアパートは、昔の家に比べれば暖かだったけれど今の暮らしを体験すると随分寒いところに住んでいたと思う」と外断熱工法の家にして良かった喜びを話してくださいました。

 1階のリビングと和室の窓に付けたルーバーシャッタもとても使い勝手がよいと喜ばれていました。本来、夏の日差しを遮る目的で取り付けたものですが、室内の家具に紫外線があたらないので「家具のためにもいい設備だった」と喜んでいらっしゃいました。


 今、不満に感じられていることは家の中の湿度が35%前後とやや低いことです。「加湿器の台数をを0〜2台に変えてみたが、台数を変えても湿度はほとんど変わらない」ということです。

 今のところ、加湿器だけに頼らず観葉植物や場合によっては金魚や熱帯魚の水槽を置きより多くの水蒸気を発生させる提案をしていますが、「思いのほかコンクリートの乾燥が進んでいて30%台の平衡含湿比になっているのかもしれない」という予感もします。

 結露のある家では「大量の水とセメントを混ぜたコンクリートは乾燥するまでに数年掛かる。それまでよく換気をしてコンクリートを乾かしてください。」と説明されることが多いようですが、最後のコンクリートを打設してから2ヶ月余りで平衡含湿比が30%台になるまで乾燥することにそれほど不思議だという思いはありません。

 これまでコンクリートに蓄熱して快適な温度にすることができましたが、「今度はコンクリートに蓄湿する方法を考えなければならないのかな?」と考えているところです。


2005年12月30日
 性能のおまけ
 Mさんのお宅は基礎の耐圧版の下も10cmの厚さのXPSで断熱しています。この断熱材が思わぬ活躍をしてくれました。
 昨日(12月29日)19時ごろと23時ごろの二回東北地方を震源とする地震がありました。
 関東地方でも震度3が観測されました。底版下の断熱材が緩衝材になってある程度の免震効果はあるだろうと考えていましたが、お尋ねしたところ「まったく揺れを感じなかった」ということでした。

 当時、奥様が電話でお知り合いとお話中だったということでしたが、先方から「あ、地震だね」と言われても揺れを感じないばかりか、ダイニングテーブルの上のコードペンダントの照明器具も普段と同じように動かなかったということです。

 ご主人は続けて「前の家では近くの幹線道路を大型トラックが走ると遠くからだんだん大きくなる振動を感じていたが、今では道路を走る車の振動を感じることがなくなった」と仰っていました。

 地盤の振動特性などを考慮した訳ではありませんから、「免震性能がある」とは言えませんが、日常の不快な振動も断熱材がカットしてくれているようです。


2006年 2月18日
 1月の暖房費は全館空調で5,000円/月??
 MさんからFaxで電気の検針結果が送られてきました。
 私が見た限りではそれほど少ない使用量には思えないのですが、ご本人からの声は弾んでいて、興奮気味に次のように話してくださった。
 「昨年は灯油で暖房し、LPガスのレンジを使っていた。今年はエアコンをほとんど連続運転したうえに台所でもIHヒーターを使っっているのに今年の電気料金は、昨年より5000円ほどしか増えていない」

 Mさんのお宅のQ値は換気の熱損失を含んでも 1.5ほどですから1月から2月に掛けての1ヶ月の熱損失は約3000KWHになり、効率4のエアコンを使っても電気料金は15000円程になる計算です。家電製品からの発熱が大きいと空調電気料金が少なくなる傾向がありますから、冷房も暖房もない中間期と、冷房シーズンを経験したあとの年間の電気料金をチェックしてみる必要があると思っています。


2006年 3月19日
 基礎底版の温度も室温並に上がっていた
 RC外断熱工法の室内環境を体感していただくためYさんご夫婦をMさんのお宅へお連れした。Mさんご夫婦は3か月間の体験を話してくださった。
 1.
 家中にほとんど温度差がないので、従来の生活とまったく違う暮らしが出来る。
 冬でも室内どこでも約20℃あるのでセーターを着ることもない。家の外に室内着のまま飛び出して冬だったことを思い出すこともあった。
 風呂に入るときに脱衣場の寒さがない。入浴するときも風呂から出るときもまったく寒さを感じない。我が家ではヒートショックの心配はなくなったと言っていいだろう。
 冬の朝、早起きになった。
 羽毛布団で寝ていると暑さを感じる。「寒くて朝布団から出られなかった去年までの生活」が笑い話のようだ。

(結露をする場所を聞いてみたら)入浴中に浴室の鏡は曇る。洗面脱衣室の化粧台の鏡は曇り止めヒータを入れなくても曇ることはない。
2.
 同じ規模の近所の友人や親類の家に比べて電気料金はずっと少ない。それも我が家は家中を24時間暖房しているのに、よそは居間だけを時間を限って暖房しているだけだ。
3.
 1階にある1台のエアコンで家中を暖房しているがほとんど温度差を感じない。
 空調した部屋の空気には「火照り」や「のぼせ」を感じることもあるが、この家ではそれがない。
 
 これまで17℃ほどまでしか温度上昇が確認できていなかった基礎底版の温度もほぼ1F室温レベルまで上昇していた。設計者としてはこれが一番嬉しいことでした。
 2月から3月に掛けての電気代は1月分よりも 5,000円も安かったということでした。料金計算期間が3日短いとはいえ、昨年までの暖房・IHヒータなしの電気料金と同額で賄えたことになってしまいます。電気料金についてはもう少し分析が必要です。


 建物完成からこれまでの室温と湿度を元に水蒸気量を計算し、外気温度とともにグラフにしました。画面中央の室温と外気温度はほとんど変化することなく1階と2階の温度差は3℃程度の差で推移しています。
 室温は昼夜の差がほとんどなく一日に1℃前後しか変動していません。
 「室温に季節感がない」といえるかもしれません。



2006年 6月24日
 梅雨になって蒸し暑くなってきたとの話を戴いた。窓を開けて寝ていれば蒸し暑さは感じないそうだが朝方車の走る音が気になって目が覚めるとのお話。
 そういえば、私の家でも夜の蒸し暑さは今年特に厳しく感じられる。
 夏の湿気は屋外から入って来ます。RCの躯体が調湿にもう少し有効ではないかと考えていただけにちょっと期待はずれなところがありましたので、昨年までと今年の気温・湿度データを比較してみました。

 今年の8月20日過ぎまでの気温と湿度を昨年、一昨年と比較すると、今年は平均湿度が60%以下になった日がほとんどないことが特徴的です。
 梅雨明けが遅れ、その後もオホーツク高気圧が優勢だったため東京では最高気温が30℃を超える真夏日が少なかったことも今年の特徴でした。

 大気に含まれる水蒸気の量は気温が低くても少なくならず、却って湿度が高くなりました。

 不快指数は次の式で計算されます。

 不快指数 = 0.81T + 0.01U(0.99T - 14.3) + 46.3
   T :気温(℃)
   U :相対湿度(%)

 湿度よりも気温の要素を強く反映するため、気温のグラフとよく似た動きをしますが、睡眠するときには体温を下げる必要があり、湿度が高く汗が蒸発しにくい温度−湿度条件では不快指数が小さい値でも眠りにつきにくいことがあるようです。


















> データから見る限り今年の夏が特に暑かった、蒸し暑かったという理由はありません。
> いつも快適な環境で暮らすと少しの不快感も体が敏感に感知するのでしょうか?

と書いていましたが上の最後のグラフ「湿度」を見ると今年の夏の気候の特徴が見えてきました。
 昨年、一昨年に比べて湿度の数値の上のほうはあまり変化がありませんが、下のほうが下がりにくくなっています。

 一昨年は連日湿度の最低値が40%近くまで下がっていましたし、昨年も50〜60%でしたが今年はこれまでのところ60〜70%以下に下がる日が少なくなっています。
 例年昼間の温度が上がると外気の湿度が下がるのですが、今年の6月は気温が上がらず昼間も湿度が高く一気に建物に水蒸気が蓄積したのではないかと考えています。
 室内気温と湿度を分析してまた報告しましょう。

 各寝室に小型のエアコンを付けたいとの希望があったのでなるべく小型で除湿時に室温を下げないタイプのものを選んで戴くように意見を申し上げました。


2007年 2月
 2ヶ月ほど遅れて竣工1年点検に伺う。
 奥様は暮に家族で旅行したときのことを「これまで温泉旅行に行くと『やっぱり温泉はいいね、また行きたいね』と言っていたのに、今度は家に帰ったとたんに『やっぱり家がいいね』と皆で言い合った」と笑い話のように話してくださった。
 「今の家になれた身体には、エアコンの近くではガンガン吹き出す熱気が気になり、エアコンから離れると寒い思いをする高級旅館より、我家のほうがずっと快適だ」と言うお話だった。

 1年点検では音の反響をどう対策しようかという問題が持ち上がった。
 大学生の息子さんの友人たちが週末に集まり、一階の居間で夜通し話し込むという。普通の家なら「出入り禁止」で一件落着するところだが、「千客万来」は福を招くとお考えのご夫婦は何か防音対策をお考えになりたいご様子。
 コンクリートの吸音率は3%ほど、せめて平均20%程度まで吸音率を上げられれば、・・・。


2007年 5月 7日
 GWは天気もよく、暖かい日が続いた。Mさんのお宅、室内にいる限り大きな室温の上昇はない。「周りでは昼間を半袖で過ごす人が増えてきたのにうちではまだ長袖で暮らしている」とご主人は笑う。
 「この時期は暖かいのが良いと思っても、よその家が冷房を使い出すようになるとこの家の値打ちを再認識しますよ」と私。





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