|
|
|
内断熱工法の建物でもそうですが、建物は熱伝導以外にも熱を受けています。断熱対策を充分
に行うほどちょっとした熱を敏感に感じるようになります。
その最大のものが屋根や壁面に受ける輻射熱です。
そのような問題を承知のうえで「両面断熱」的な手法を使うのは、既存建物の改修で内断熱を
撤去すれば外壁の内装をすべてやり直すことになって工事費が嵩むうえに、生活しながら断熱改
修することができなくなって仮住まいの賃借、家財の移動(引越し)など多大な経費がかかるこ
とになるからです。
屋根の日射を受ける面は内断熱工法で断熱していても60℃程度の、熱容量の小さい断熱材が表
面に現われている外断熱工法では70℃程度の高温になります。
一般に通常の熱負荷計算では建物の外側の温度を外気温度と等しいという仮定のもとに進めて
います。26℃で冷房しているとき、屋根の表面温度が60℃・外気温度が35℃とすると、屋根から
の熱貫流量は34℃(=60℃−26℃)の温度差に対応したものになります。熱負荷計算では 9℃
(=35℃−26℃)を想定しているわけですから、屋根には約4倍の熱負荷がかかります。屋根表
面の温度が70℃あれば熱負荷は5倍になります。
この熱負荷に対応するために前のページの屋根の断熱の項で「断熱材の厚さは陸屋根工法では
厚いほど効果があります」と書きました。しかし、実際に屋根の断熱材の厚さを4〜5倍にする
ことは先ず不可能でしょう。
もちろん4〜5倍の熱負荷はピーク時の倍率で、一日あるいは夏を通じてこれだけの熱負荷が
ある訳ではありません。手元に陸屋根表面の温度測定データがないので正確な倍率を示すことは
できませんが、屋根からの冷房負荷は熱負荷計算の2〜3倍になっていると考えられます。
前のページの屋根の断熱>外断熱工法>置屋根工法は木造住宅の小屋裏のように断熱材と屋根
材の間の空気を外気と入れ替えることによって断熱材の表面温度を外気温度に近づけようとする
ものです。
コンクリート造の陸屋根でも同様に断熱材表面温度を上昇させない対策を取ることができま
す。
|
例えば屋上緑化や屋上庭園を造り、植物を植え散水することは良い対策になります。
|
|
植物の葉は直射日光を遮り、土に含まれる水は温度が上がると気化熱を奪って断熱材表
面の温度を下げます。この方法で問題があるとすれば渇水期対策が難しいことです。吸水
制限や節水が叫ばれる時期に水道水を屋根に撒くことに抵抗を感じる方も多いでしょう。
|
|
屋上や庭に散水する水にも下水道料金を含む料金が掛かります。井戸が掘れる場所なら
散水用に井戸水を使うことを考えては如何でしょうか?
|
|
屋根の表面に日影を作るものはほとんどのものが屋根面の温度を上がりにくくする効果
があります。
|
|
屋上にテントを張る、太陽光発電パネルを並べるといった大掛かりなことをしなくて
も、床にすのこ状の歩行デッキを作ると断熱罪の表面に通気層ができる形になり輻射熱の
影響を減らすことができます。
|
|
昔、あるコンクリートプレハブ住宅が、「ベンチレーションブロック」という足の付い
たコンクリート製の舗石をバルコニーとなる1階の屋上に敷き並べていました。こういう
ものもすのこと同じような効果があります。
|
前のページのサッシの改善は窓からの熱伝導による負荷を取り上げています。熱伝導のほか、
窓から室内に直射日光が差し込むと日射を受けた床や家具の表面で発熱します。
地上に届く太陽光線は光に垂直な面1m2あたり最大で1KWのエネルギーを持つといわれてお
り、冷房負荷を増大させ、暖房負荷を軽減する働きがあります。
室内への日射を窓のカーテンで遮蔽しているケースを見ることがありますが、カーテンにあた
った光は室内を暖めているのでほとんど効果はありません。
庇、オーニング、ルーバー、雨戸など窓の外側で日射を遮るものを有効に使いましょう。
|
一般の庇は窓上だけにつけられますが、正面からの日射には有効でも斜めからの日差し
を防ぐことができません。窓を上からコの字型に取り囲む箱庇を使うことも検討してみて
ください。
|
|
オーニングの利点は可動式で太陽の角度に合わせて調節できることです。
|
|
従来、帆布など可燃性の布を使ったオーニングばかりで、どうしてもオーニングを付け
たい場合には竣工検査を受けた後に取り付けることが多かったのですが、最近不燃性のク
ロスを使ったオーニングが出回るようになりました。
|
 
スウェーデンマルモのホテルの ストックホルム市内で
オーニング 見たオーニング
|
オーニングの色や形をデザインすれば、日本の建物にも新しいデザインを導入できるで
しょう。
|
|
それぞれが、日除けとしての機能を持っています。価格が高いので一般的に使われるほ
どに普及していませんが、雨戸やシャッターにルーバータイプのものがあり、有効に日射
を遮ることが出来ます。
|
|
熱線反射ガラス、熱線吸収ガラスと呼ばれるガラスがあります。いずれもLo-Eガラスと
呼ばれるものですが、屋外から屋内への輻射熱を減らすか、屋内から屋外への輻射熱を減
らすかの違いがあります。
|
|
アルミが他の物質に比べて同じ温度でも輻射熱を発散しにくい性質を利用したもので、
アルミ蒸着したガラス面を室内に向けるか屋外に向けるかによって性能の違いが出来ま
す。
|
|
北海道など寒冷地では暖房の熱損失を減らすように、温暖な本州以西では冷房負荷を減
らすように使うのが一般的ですが、反対のシーズンにはほとんど効果をもちません。
|
|
|