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この言葉はもう5年ほど前に私の恩師で、日本建築学会の副会長を務められたこともある宮野秋彦先生から尋ねられた言葉です。
そのころの私はまだRC建築物の外断熱工法としては、鉱物繊維系断熱材を使うものしか知りませんでした。市中にもその他の外断熱工法はほとんど知られていませんでしたから、先生のお尋ねも繊維系断熱材を使った鉄筋コンクリート建築物をどういう気候の土地に建てるのが適当なのか? それをよく吟味することが必要だという趣旨だったのでしょう。
宮野先生は、北海道や東北では問題なく機能するだろうが、外気が多量の水蒸気を含む東京から西の地域では夏の水蒸気対策に問題がある指摘されていました。
RC建築物の外断熱工法には繊維系断熱材を使った乾式外断熱工法と樹脂系断熱材を使った湿式外断熱工法がありますが、そのうち乾式外断熱工法を高温多湿な地域で採用することに警鐘を鳴らされたものだったのでしょう。
鉱物繊維系断熱材、つまりグラスウールやロックウールを使う断熱工法は北欧を中心に発達してきたもので、RC外断熱工法に限らず、木造建築物の充填断熱工法でも室内側に気密・防湿層さえきちんと施工してあれば暖房中に結露を生じることはありません。
しかし、夏が高温多湿になる日本やアメリカ大陸ではフロリダなど大陸東海岸では冷房温度が大気中の水蒸気の露天温度を下回るときに夏型結露を招くことになります。
RC外断熱工法でも、気密防湿シートを使った木造建築物の充填断熱工法でも、コンクリート躯体や防湿シートの屋外側に夏型結露を起こすメカニズムはほとんど変わるところがありません。防湿シートに比べてコンクリート躯体の熱容量が大きい分だけRC外断熱工法の結露は長時間継続して現れ、コンクリートに結露水を吸い込ませ続けます。
この問題についての外断熱工法関係者の発言は非常に曖昧なものになっています。
以下の説明にも出てくるように、関東・甲信越以西の沿岸部で観測される最高露点温度は24℃台後半から27℃台後半に及びます。高い露点温度が年間に出現する回数や延べ時間、最大継続時間もそれぞれ大きな回数になります。
冷房温度を28℃としても建物の外壁表面で相対湿度を80%以下に保つには外気の露天温度が冷房温度より 4℃以上低くく保たれる必要があります。高湿状態が常時続くわけではないことを考慮しても 3℃以上低くなければならないと考えられるので、2004年の気象データを基準に考えると28℃の冷房温度が守られるという前提の下で下の表の都市の内上から東京までは繊維系断熱材を使った乾式外断熱工法が許容されることになります。ただし、冷房設定温度を27℃にするなどより低い温度で冷房する場合には東北地方の海岸部でも繊維系断熱材のよる乾式外断熱工法の採用を控えるべきだと思います。
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