省エネな家造りの進め方 第一章 準備段階
 第一章 準備段階 第二章 建物の省エネ性能を数値でつかむ 第三章 水は建物の敵 第四章 相談相手を選ぶ
 第五章 次に家を壊すまでのお金のことを考えてみよう 第六章 皆さんの問題を解決しましょう

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 みなさん、こんにちは。

 「省エネな家造りの進め方」をご覧いただき、本当にありがとうございます。

 このページでは、みなさんが間違いなく省エネで長持ちする家を造れる道筋を書いていきます。

 内容は全部で10章程度になります。ここは第1章です。

 早く先に行きたい方には途中近道をお知らせします。
 今回は先ず、準備段階です。

第一章 準備段階
 これまで多くの方々をRC外断熱工法の省エネで快適な家にご案内しました。そこでのお子さんたちの様子から、ご案内したご家族は断熱の良い家の快適さ経済性を判っていただけたと思います。

 真冬には家で寒がっているお子さんが、暖かい室内に入ると裸足で気持ちよさそうに階段を走りあがったり、室内を駆け回ったりしてお母さんを驚かせたこともあります。
 「この家の素晴らしさはよく判りました。」多くのみなさんがそうおっしゃいました。

 しかし、断熱の良い建物を気に入ってそうおっしゃってくださった方々の中で、実際に省エネな家、長持ちする家、快適な家を建てられた方はほんの一握りでした。

 どうして、こうなるのでしょう。

 家を建てることは妥協の連続かもしれません。理想を高く持ち、広くて充実した装備を持つ家を考えていても、手持ちの資金、借り入れられるローンや夫婦の親たちからの支援を振り絞っても予算が足りなければ、面積を縮小する、仕様を落とすなど様々なコストダウンを考えなければなりません。

 私がこれまでお話してきた方の中には「30坪ほどの間取りで総額を2000万円ほどに抑えたい。でも、RCの外断熱の建物に魅力を感じている。」という方もいらっしゃいました。
 どう考えても無理です。その予算が判っていたら初めから「木造で断熱性の良い建物をお考えになるほうが良いですよ」とお話した方がよかったと後から思うこともしばしばありました。

 ご本人も、私どもも期待しながら予算オーバーになることもありました。軟弱地盤で基礎の下に30mの杭を打たなければならない。これだけで工事費が一千万円以上高くなることもあります。

 これらの例は計画変更をせざるを得ない、いわば「仕方のない」ケースです。

 しかし、相談する先を間違えたためにもともと期待していなかった方向に計画が進んでしまったケースがたくさんあると思います。

 多くのハウスメーカーがモデルハウスを訪問したあと、計画も使用も決めていない段階で事務費・連絡費などの名目で「10〜100万円」のお金を振り込んでくれと言う話になるようです。
 一旦お金を振り込むと、ユーザーのお金を無駄にしたくない心理につけ込んで、ハウスメーカーに都合の良い理屈を押し付けてきます。

 「日本は北欧ほど寒くない断熱にお金を掛けるくらいなら、ヨーロッパのシステムキッチンをつけられる」などよく聞く話です。お金を払ったあとでは「喧嘩をしたくない」と言う気持ちも働くのでしょう断熱に強い関心を持っていた人が、いつの間にか消えていくこともありました。

 ご本人が納得して自分の住まいの造り方を決められたのなら、私がコメントすることもありません。新しい住まいで良い暮らしが始まることを祈ればいいのですから、・・・・。

 しかし、ご自分の気持ちと裏腹に望まない家のオーナーになった多くの方がいらっしゃり、片思いの恋人に振られたような気分を抱えたまま望まなかった家でこれからの半生を過ごすとしたら、・・・・。
 そう考えると、私には「彼らのためにしなければならないことがあったのではないか?」という思いが湧きあがってきます。


モデルハウスの見方
 分譲マンションの購入を考える方々がモデルルームを見に行くように、家造りを考えたとき多くの方がモデルハウスを見学に行きます。
 分譲マンションはいわば建売集合住宅で、もともと個別の購入者の希望を取り入れて建てるものではありません。

 そして、モデルハウスはハウスメーカーやディベロッパーが販売促進のために作った「蜘蛛の巣(=顧客キャッチ装置)」です。

 ここを訪ねる人たちは住宅の建築や購入を検討している人たちです。ハウスメーカーやディベロッパーもそのことをよく知っています。来訪者が仮にRC外断熱工法の家を建てたいと思っていて、ただ参考のためにモデルハウスを見に来ているとしても、アンケートに住所と名前を書かせ、自社商品の長所を並べ立て、次の訪問の機会を作ろうと必死に話しかけてきます。

 モデルハウスを見に行っても、決して「営業マンのペースに載せられない」ようにしてください。「話をするな」、「アンケートに住所や名前を書くな」とまでは言いませんが、「自分が建てたいと思っている家の概要」や、「モデルハウスを見てもそのHMの家自体には関心がなく住宅設備の種類や配置だけを参考にしたい」と断言した方がいいでしょう。

 これくらいのことを言っても営業マン氏はまだ怯むことなく、「見積しましょうか?」と畳み掛けてきます。


 モデルハウスを見るときに確認して欲しいことがあります。
 モデルハウスは一般に建てられる家よりも大きく、豪華な内装で造られています。そこで建築費を尋ねるとオプションのつかない標準タイプの坪単価を説明することが多いのです。
 「坪当たり○○万円です。」


 豪華なモデルハウスを見て、「坪当たり○○万円です。」と聞くと「安い!」と感じるはずです。

 でも、モデルハウスにはたくさんのオプションが含まれています。実際に多くの方が建てる家ではオプションだけでも総額の1〜2割アップすることは当たり前です。

 モデルハウスを見る最大の目的は、ハウスメーカーで家を建てるとしたらどれくらいの費用が掛かるかをきちんと把握することにあります。

 大手商社や大手メーカー系列のハウスメーカーといっても、実際に自社で施工できるところはほとんどありません。社内には営業と現場監督がいるだけで、工事の大半は町の建設会社に外注です。自社仕様と異なる断熱仕様など基本的に対応できません。
 モデルハウスと広告費を回収するために実際に工事に支払われる費用は受注金額の半値八掛だといわれることがあります。


 今の日本で、ハウスメーカーを使って家を建てることは、地場のホームビルダーや工務店を使う家造りと並んで最も有力な選択肢になっています。
 彼らがどれほどの価格でどんな家を造るのか客観的に知っておくことは正しく比較検討するためにも必要なことです。

 モデルハウスで次のように訪ねてみることもいいことでしょう。

 「この家の断熱性能はどれだけありますか?Q値で示してください。」
 「この家を一年間冷暖房すると一年にどれだけの空調費がかかりますか?」
 「将来断熱性能が足りないと感じたときに断熱材を増やすとしたらどれだけ費用がかかりますか?」


(つづく)