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内断熱工法の歴史
内断熱工法について、外断熱を推進する立場の多くの人は日本のみで使われ、欧米ではありえない工法であり、「もし内断熱工法で断熱された建物があり、結露などで居住者が不利益を受けた場合には設計者や施工者が法的な責任を問われる」といった説明をしています。
現在、欧米で内断熱工法で断熱された建物を見つけることは不可能に近いほど困難なことではありますが、内断熱工法が日本独自のものとすることには次のような批判があります。
戦後間もなく、GHQから建築関係者に召集が係り、エネルギー節減のために断熱を進めるよう指示があった。
当時日本側の作業チーム(代表者元東京大学建築学科教授の岸谷孝一氏)にGHQから示された断熱技術資料が日本の内断熱工法の基準になったと、当時作業チームの一員だったメンバーは指摘する。
こういった研究がされていたというもののその後オイルショックまで日本のRC住宅に断熱技術が使われていた証拠はほとんど見つかりません。
オイルショックを機に日本でも建築断熱の必要性が認識されるようになりましたが、昭和40年代後半に日本住宅公団が最初に採用した断熱工法は今の木造住宅で使われている充填断熱工法そのままコンクリートの建物の内側に持ち込んだものでした。
すなわち、コンクリート壁の室内側に木製の内装下地を組み、最上階の天井には野縁を利用して防湿用ビニールシートを貼りその裏側にグラスウールを充填していました。
この方法ではビニールシートを完全にシールしなければ裏側に室内の水蒸気が浸透して結露を起こすことになります。当然のことですが絵に描いたような結露被害が蔓延しました。
私が大学を出て最初に勤めた職場にも住宅公団の特別分譲で建てた社宅があり、営繕担当者が結露対策に泣いていました。
壁で結露した水が床を濡らすのはまだしも、天井の野縁の間には大量の水が溜り、水滴の落ちる部分の天井板を剥がすとビニールシートの継ぎ目から滝のように大量の結露水が流れ落ちてきます。
グラスウールを樹脂系の発泡断熱材に交換するまで、大騒動が冬の年中行事になっていました。 |
内断熱工法の種類
今最も多く使われている内断熱工法は現場発泡ウレタン吹付け工法です。
フロンガスを使って発泡させるウレタンは温暖化の原因になるとして規制されていますが、
代替フロンや水を使って発泡するものに順次変えられています。
ウレタンは躯体に密着するうえに透湿抵抗も比較的大きく熱橋部分以外のコンクリート表面
で結露が起きることは滅多にありません。
(とはいうものの寒冷地では「室内にツララができた」とか、「床が浴室のように濡れて靴を
履かないと暮らせない」といったひどい結露の話があります。)
プラスターボードと断熱材を張り合わせた複合版を壁に貼り付ける内断熱する方法もありま
す。この方法は日本住宅公団が使っていたことから「公団方式」などと呼ばれることもありま
す。
公団方式では複合版がコンクリート躯体に密着するように全面に接着モルタルを塗って隙間
が出来ないように仕上げなくてはなりませんが、民間工事では複合版を使ったGL工法(団子
張り)で断熱施工されている例も相当数あると思われます。
このような例では断熱材裏の空気と室内の空気が対流を起こすため断熱性能が期待できない
ばかりでなく、対流によって大量の水蒸気を含んだ室内空気が冷たいコンクリート表面に達す
るのでコンクリート表面で激しい結露が起き、結露水を奪われる室内空気は乾燥します。
このほかに、屋根面だけ躯体の外側を断熱した外断熱工法との折衷工法、室内側にも室外側
にも断熱材を配置した両面断熱工法などもありますが、いずれも
1.熱橋があること
2.躯体温度が室温に同調しないこと
などの特徴から、内断熱工法の亜流に含めて考えるべきものです。 |
外断熱工法を取り上げるサイトで内断熱工法を取り上げるときは、漫才の「ボケ」役のように一方的に突っ込まれている「内断熱工法」ですがここではできるだけ客観的に評価をしていこうと考えていますが、もともと「内断熱工法」と聞くと突っ込みを入れたくなる性分ですので、どこまでこの姿勢が保てるかが気になっています。 |
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