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鉄筋コンクリートの外断熱工法の建物以外の建物では、部分間歇空調をすることで空調に使う
エネルギーをある程度減らすことができます。
局所間歇空調は使わない部屋の空調をなるべく切って、余分な空調エネルギーを使わないよう
にするものです。
「外断熱工法で造った鉄筋コンクリートの建物でも同じように局所間歇空調
をすれば空調エネルギーの使用を減らすことができる」
と、真面目に考えている設計者もまだ多いようですが、これは全くの間違いです。
合理的な外断熱工法の空調方法は必要最小限の空調機を使って24時間連続空調することです。
ある日の外気平均温度をTE℃、暖房設定温度をTH℃とすれば連続空調したときの暖房エネ
ルギーは
暖房エネルギー(連続)=Q値×(TH−TE)×床面積×24
で表わされます。このときの床面積あたりの暖房機の能力は
暖房機出力=Q値×(TH−TE)
TE= 5℃
TH=20℃
とすれば、Q値ごとに暖房機出力は次のようになります。
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Q値 |
暖房出力
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1.5
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22.5W/m2 |
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2.0
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30.0W/m2 |
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3.0
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45.0W/m2 |
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また、間歇空調したときに室内の日平均気温が凾s℃だけ下がったときの一日の暖房エネルギ
ーは
暖房エネルギー(間歇)=Q値×(TH−凾s−TE)×床面積×24
となって、全館連続空調と局所間歇空調の暖房エネルギーの違いは
暖房エネルギーの差=Q値×凾s×床面積×24(間歇空調による省エネ効果)
となります。
間歇暖房するときの空調機の能力を日本電機工業会では220〜275W/m2と定めています。間歇
空調をすると空調をつけて室温が回復するまでの間連続空調に比べて大きな出力を必要とするた
め、大型空調機が必要になるのです。
同じ時間空調を切ると、凾sは概ね熱容量に反比例します。つまりRC外断熱の間歇空調によ
る省エネ効果はRC内断熱のおよそ 1/4、木造のおよそ1/8しかありません。
使わない部屋の空調を切って空調エネルギーを節約しても、次に空調するときに下がった室温
を回復させるためにエネルギーが必要になります。この室温回復に必要なエネルギーは断熱性能
が高い建物ほど節約したエネルギーに近づきます。
間歇空調で限られた時間にエネルギーを出力するには空調時間に反比例する大型空調機が必要
になります。
エネルギーを節約できるつもりで間歇空調を考えても空調機械が大型化するだけとしたら、空
調エネルギーを削減するにはどういう対策を取ればいいのでしょうか?
色の着いていた文字で書かれていた数式を思い出してください。
暖房エネルギー(連続)=Q値×(TH−TE)×床面積×24
RC外断熱工法の建物の場合は局所間歇空調による空調エネルギー消費量削減効果がほとんど
ありませんので、この式でQ値とエネルギー消費量の関係が判ります。
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設計に当たって断熱材の厚さはどのように決められているのでしょうか?
木造建築物の断熱材の厚さは在来工法で大壁で充填断熱するものなら 100mm、枠組壁工法で2×4のスタッドを使うものなら80mmといったように断熱材を充填する以外には使われないスペースを利用するときには特に深く考えることもなく決定することができます。空洞いっぱいに断熱材を充填してもなお足りなければ、改めて不足する断熱材をどのように追加するかを考えれば済むことです。
ところが、鉄筋コンクリートの構造物には木造の充填断熱工法のようにお誂え向きな断熱材充填スペースはありません。
「土地の高いところで断熱材の厚さを大きくすると敷地が有効利用できない」と低い断熱性能で設計する理由を説明する人もいますが、必ずしも当を得た考え方ではありません。
その理由は、
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1. |
外断熱工法では断熱材は床面積算定の基準になる壁の中心線の外側に配置されるので、断熱材を厚くしたために外装材の表面が敷地境界線をはみ出すようなことがない限り、有効利用できる面積を減らすことはありません。 |
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2. |
内断熱工法の断熱材は、床面積算定の基準になる壁の中心線の内側に配置されます。
GL工法のためのクリアランスを含めて、有効利用できない部分の面積が多くなるのは外断熱工法ではなく、内断熱工法です。 |
断熱材が有効利用可能な延べ床面積を最大にするのが良い断熱座とすれば、木造の充填断熱が最も良い断熱ということになります。一方、床や屋根(天井)の断熱は床面積の有効利用をほとんど邪魔しませんから壁の断熱材の厚さとは関係なくしっかり断熱したほうがいいということになります。
しかし、壁の断熱を薄くして、屋根(または天井)の断熱を何倍も厚くするのはあまりバランスの良い断熱とは言えません。
どのように断熱性能を決めるかと言えば、仮に各部分の断熱方法を決め、部分ごとの熱貫流率を計算して毎年の空調に必要な空調エネルギーとその料金を計算してみることです。
例えば東京で次世代省エネ基準の家を建てるとすればQ値が 2.7W/m2・Kです。
東京のHDD(暖房温度20℃)はおよそ1800度日、CDD(冷房温度28℃)はおよそ200度日ですから、床面積を120m2とすれば年間空調エネルギーは
暖房エネルギー(連続)=2.7×(1800+200)×120×24=15,552KWH(130KWH/m2・年)
となり、冷房暖房ともにCOP4.0のエアコンを使うとすれば消費電力は
消費電力15,552/4=3,888(KWH)
となります。
今の電力料金で計算すると床面積120m2の家の年間空調費は85,000円あまりになります。
RC外断熱工法では戸建住宅でEPSを使って断熱する場合、およそ100mmの断熱材を使った場合Q値が約1.5w/m2・Kとなり、年間空調エネルギーが72KWH/m2・年になって、年間空調費は47,500円になります。
ヨーロッパではパッシブハウス(超低エネルギーハウス)の開発に関心が無為ていますが、その年間暖房エネルギーは15KWH/m2・a、冷房エネルギーも最大15KWH/m2・aです。
まだ日本型パッシブハウスの提案はありませんが、断熱厚さ20cm程度として建物からの熱損失を約半分にして太陽熱(ダイレクトゲイン)など自然エネルギーを活用するものになると思います。
日本で今こういった形で年間空調コストを計算すると、次世代省エネ基準の家で年間85,000円、それ以前の断熱基準で断熱工事をすると年間15万円以上の空調コストが掛かるはずです。
こう説明すると、「我家ではそんなに空調費を使っていない」と仰る方が多いでしょう。それは、熱容量が小さくQ値が大きい家では間歇空調による空調費削減効果が大きいので、なるべく空調を使わないようにしているからでしょう。最低気温が10℃を切るまでは暖房を使わないなど多少の寒さは我慢するのが当たり前と考えた省エネを心掛けている方も多いでしょう。
今のドイツの一般仕様である低エネルギーハウスの空調エネルギー使用量は70KWH/m2、今後ヨーロッパの基準になろうとしているパッシブハウス(超低エネルギーハウス)の空調エネルギー使用量は暖房・冷房のそれぞれが15KWH/m2を超えず、厨房・照明・給湯などを含む家の全エネルギー消費が年間120KWH/m2を超えないことです。
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外気温度と室内温度に1℃の温度差があるときに、建物の床面積あたりどれだけの熱損失があるかを示す指標がQ値です。
建物の屋根・壁・窓・床などの部分からの熱損失は、その部分の断熱性能を表わす熱貫流率(K値)で表わされ、それぞれ断熱材の厚さに反比例します。
けれどもQ値は屋根・壁・窓・床など各部分の面積とK値を掛けた数値の累計を床面積で割って求めるので、建物の形状や窓面積が変わると変動し、Q値は断熱材の厚さから直接計算できるわけではありません。
戸建住宅と集合住宅で窓や外壁・屋根の面積を変えないで断熱材の厚さとQ値がどのように変化するかを表に示してみると次のようになります。これは一例で、建物の形状や窓の面積が変わるとQ値も変わってきます。
戸建住宅
|
断熱
厚さ
|
壁
Qw
|
屋根
Qr
|
基礎1
Qp
|
基礎2
Qb
|
Q値
小計
|
|
0
|
9.14
|
4.04
|
3.83
|
0.68
|
17.70
|
|
25
|
1.63
|
0.71
|
0.68
|
0.12
|
3.14
|
|
50
|
0.89
|
0.39
|
0.37
|
0.07
|
1.73
|
|
75
|
0.61
|
0.27
|
0.26
|
0.05
|
1.19
|
|
100
|
0.47
|
0.21
|
0.20
|
0.03
|
0.91
|
|
125
|
0.38
|
0.17
|
0.16
|
0.03
|
0.73
|
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サッシ
等級
|
Q値
小計
|
開口部
Qw2
|
換気
Qb
|
Q値
合計
|
普通
サッシ
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上の表から
数値を転記 |
1.13
|
0.40
|
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H−1
|
0.78
|
|
|
H−2
|
0.68
|
|
|
H−3
|
0.58
|
|
|
H−4
|
0.49
|
|
|
H−5
|
0.39
|
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あなたの家の断熱性能と年間空調コストがどんな数値になるのかを、必ずあなた自身が確認しておいてください。
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