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熱橋とは建物内外を熱が通り抜けやすい場所です。ほかの部分が断熱されていても、熱の通り
道になる断熱欠損があると大きな熱損失の原因になるばかりでなく、冬に低温になり熱橋の内側
に結露やカビなどが発生する原因になります。
これまで、結露の分析では温度と露点温度の比較図で説明を進めてきました。温度と露点温度
は1次元の検討なので熱橋のように二次元、三次元の広がりを持つ対象を説明できません。
簡単な2次元の温度分布計算をすることで、熱橋の持つ問題点が見えてきます。
エクセルによる手計算で、熱橋の部分を1cmのグリッドに切って計算しているため、内断熱の
断熱材中の温度分布など、1cmの範囲に何本もの等温線が入るような細かい状況は処理しきれな
いことをはじめにお断りしておきます。
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熱橋の温度分布
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上の図は室内が20℃、屋外が0℃のとき、温度平衡になった熱橋部分の温度分布を示します。
室内の床温度は概ね18℃以上ありますが、外壁のコンクリート温度は外気温度+2℃以内と低
く、床の取り付け部分は暖房中でも10℃以下になっていることが判ります。
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上の図の状態で空調を切り、10時間経過後の温度分布を示したものです、この計算では室内か
ら熱の供給はないものとして計算しています。
床の付け根付近の温度は10℃以下に、断熱材の温度も2℃以下に低下しています。
一旦温度の下がったコンクリート温度を上げるには、空調を止めた時間以上に長時間暖房する必
要があります。
コンクリート造のマンションで「床が冷える」「床暖房が欲しい」という声が聴かれる原因はこ
のあたりにあるのでしょう。空調しない非暖房室、布団を詰め込んで暖かい空気が循環しない押入
の中などは常に上のような温度分布になっていると考えられます。
温度分布の分析では暖房時のものが示されていることが多いのですが、部分間歇空調ではここに
示したような低温部分が必ず発生していることを覚えておいてください。
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外断熱の壁に先端を断熱していないバルコニーを取り付けたときの温度分布を示しています。
熱が引き抜かれるために、壁の温度がえぐられたように下がっているのが確認できます。
室内側には低温部分は現われませんが、バルコニー部分から普通の壁の20倍を越える熱損失が
あります。
熱流はバルコニーから主に水平方向に流れますが、断熱材を通って上下にも放熱されるので熱流
が大きくなります。
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バルコニーと並んで外断熱工法の建築物の熱損膣の大きなものはパラペットです。壁と屋根の断
熱材のジョイント部分が断熱されていない場合、大きな熱損失があります。夏には日射を受けて高
温になる部分ですから、コンクリートに熱伸縮を起こさせる原因にもなります。
下のふたつの図はいずれも暖房中のものと、空調を切った後10時間後を比較しています。ヒート
ブリッジのあるものでは室内に面する部分の温度低下が大きくなります。
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10時間経過後の温度分布 (下図)
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10時間経過後の温度分布 (下図)

パラペットが断熱されているか、いないかで躯体の温度変化は大きく異なります。温度変化はエネ
ルギー損失の結果ですから、省エネの観点からも熱橋(=ヒートブリッジ)は好ましくありません。
一旦躯体温度が下がると下の温度に暖め直すために空調を切った時間より長い時間が掛かり、大き
なエネルギーを必要とします。充分断熱して熱橋を極力作らないようにすることが、省エネと快適さ
を手に入れる最も良い方法です。
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