基礎や地下壁は土に接しています。地下水位以下の土は水に近い熱伝導率を示しますが、地下水
位よりも高い土は木材よりもやや大きい熱伝導率を示します。
建物中央部のスラブ下の土はかなり小さい熱貫流率を持つことになり、土間下の断熱は建物の外
周部だけに限定しても構わないという考え方が広く普及しています。
「建物を常に定温に保つとすればスラブ下の地盤温度は一定になる」ということができるかもし
れませんが、それは「建物の熱で地球を暖められる」というほどに大量のエネルギーを必要とする
ことになります。

ベタ基礎

地中温度解析図
チャルマッシュ工科大学(スウェーデン・イエテボリ)
ハーゲントフト教授の資料より
建物の建つ地表付近の熱の流れには次の三つのものがあります。
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1.
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太陽や宇宙と輻射熱を交換し、大気の対流の影響を受ける地表面からの熱の流れ
(上の図では 左右の地表面)
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2.
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年間を通じて温度の安定した地下水からの熱の流れ
(上の図では 下)
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3.
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人工的に維持される建物の基礎や地下壁からの熱の流れ
(上の図では 上中央)
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上の図ではスラブ舌の断熱材内部に大きな温度勾配があります。
下の図では建物直下の土が高い温度に維持されているように示されています。
私が断熱に深い関心を持つようになったひとつのきっかけにある建物の地下室で起きた夏型結露
があります。
初夏に漏水事故がおきたのではないかと思わせるほど床がびしょ濡れになる事態が起きました。
「結露するときは換気が最大の対策!」と換気をすればするほど床面をぬらす水の量は増えていき
ます。
そこで、床の温度を測ってみると19℃ほどしかありません。
外気温度は28℃前後で80%近い湿度がありましたから、露点温度は約23℃。換気するほど結露が
増えたのも当然です。
一般的な話はこれくらいにして、本題に入ります。
夏の外気の露点温度(空調する場合は空調後の露点温度)、冬の室内空気の露点温度以上に躯体
温度を保てるのなら(理論的に)一部の断熱を省略することは可能です。
しかし、基礎やスラブ下の温度が仮に20℃あったとしてもその土を暖めてスラブ表面温度を25〜
26℃以上に保つことは先ず不可能なことではないかと思います。
また、冬の室内と地盤の温度差がせいぜい5℃前後と外気温度との差に比べて大きくないといっ
ても無断熱のスラブからは大きな熱損失があるうえ、床の冷たさを招く原因にもなります。
したがって、外部周りの基礎・地下壁は外壁と同じ厚さで断熱する必要がありますが、建物中央
部分の基礎やスラブについては50mm程度の断熱を行えば充分でしょう。
断熱という視点から少し離れますが、毛細管現象によって地下水をスラブに誘導するような埋め
戻し材の使用を避け、砂・砕石など水はけの良い埋め戻し材を使うこと、基礎の周りに透水管を埋
設することは建物を長持ちさせる有効な方法です。
基礎コンクリートには地中をの水蒸気が浸透してくるので、室内側表面に透湿抵抗の大きい樹脂
系シートを貼ることや透湿抵抗の大きい塗料を塗ることは避けます。
根入れが浅く地表からの熱(寒さ)の影響を受けやすい基礎では建物の周囲に水平方向に断熱材
を埋設するスカート断熱をすることで地表からの熱の影響を弱めることができます。

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