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充填断熱と外張断熱
充填断熱と外張り断熱は、主に壁の断熱に使われる断熱工法です。
充填断熱は軸組材の空洞中に断熱材を充填して断熱する方法で、一般には繊維系断熱材が使われます。工場生産パネル内部に樹脂系断熱材を充填したもの、現場発泡で樹脂系断熱材を充填するものも充填断熱に区分されます。
外張り断熱は軸組木材の外側に発泡樹脂系の断熱ボードを張る工法です。50mmの袋入り断熱材を充填する充填断熱に比べて安定した断熱性能を示すため、急速に普及しています。
RC建築物でも使われるEIFS工法を木造で使う場合も外張り断熱工法に分類されます。
しかし、多くの外張断熱工法で使う断熱材の厚さがせいぜい30mmと薄く、省エネ性能が不充分なレベルにとどまっています。
現状では70mm以上の断熱材を使用するEIFS工法と30mmのネオマフォームを使ったもの以外は、断熱性能が不足しています。
木造充填断熱を「内断熱」と木造外張断熱を「外断熱」と表示している例が多く見られます。
「内断熱」と「充填断熱」、「外断熱」と「外張断熱」はまったく異なるものです。
「内断熱」、「外断熱」はコンクリート・レンガ・ブロックなどで造った大きな熱容量と透湿抵抗を持つ躯体をどう断熱するかの違いです。
木造の軸組や枠組は鉄筋コンクリート造のような熱容量も透湿抵抗も持っていません。充填断熱工法では木材がヒートブリッジになりますが、木材はコンクリートに比べて熱貫流抵抗が大きいのでヒートブリッジの熱貫流率はそれほど大きなものではありません。
「外断熱」、「空調効率の良さ」を強調する木造外張断熱工法の住宅の中には充填断熱よりもQ値・K値が大きく、断熱性能が劣るものが混じっています。
木造建築物の断熱工法を選ぶときには宣伝文句に惑わされず、K値やQ値など断熱性能に着目しましょう。
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工
法 |
断熱材の種類 |
厚さ |
素材の性能 |
実際の効力 |
備 考 |
熱貫流率
W/m2・K
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熱貫流抵抗
m2・K/W
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熱貫流率
W/m2・K
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熱貫流抵抗
m2・K/W
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外
張 |
ネオマフォーム |
30mm |
0.700
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1.428
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左と同じ
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薄い断熱材中最良 |
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押出法ポリスチレンフォーム |
30mm |
1.133
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0.882
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ビーズ法ポリスチレンフォーム |
70mm |
0.510
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1.944
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充
填 |
グラスウール 10Kg |
50mm |
1.000
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1.000
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1.280
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0.781
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対流による熱損失 |
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高性能グラスウール 16Kg |
100mm |
0.380
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2.634
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0.544
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1.838
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セルロースファイバー |
100mm |
0.400
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2.500
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0.560
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1.786
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吸湿能力大 |
※ 熱貫流率は少ない方が、熱貫流抵抗は多い方が優れた断熱性能を持ちます。
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外張断熱工法のメリット
充填断熱工法で多く使われる繊維系断熱材は綿状の鉱物繊維です。
(一部植物繊維・動物繊維も使われます。)
繊維系断熱材は毛糸のセーターのように空気や水蒸気を通しやすい性質を持っています。
断熱材と室内側壁材の間に隙間があると隙間の空気が暖められ対流を起こします。断熱材の繊維中の空気でさえ対流を起こす可能性があります。
繊維系断熱材を使う断熱工法では、断熱材内部の空気や水蒸気の移動を押さえるために、断熱材の正確な施工と同時に「気密・防湿層(ヴェーパーバリア)」、「防風・透湿層(ウェザーバリア)」の適切な施工が要求され、これらのどれが欠けても十分な断熱性能は発揮されません。
外張り断熱工法に使われる発泡樹脂系断熱材は、樹脂の独立気泡からできているために空気を通さないうえに、繊維系断熱材に比べて水蒸気を 50〜100倍も通しにくい性質を持っています。言わば、繊維系断熱材の熱を通しにくい性質に加えて「気密・防湿層(ヴェーパーバリア)」、「防風・透湿層(ウェザーバリア)」としての性質を兼ね備えている訳です。
ここまでは、外張り断熱の良い点ばかりです。これで、充填断熱以上の性能を発揮するなら理想的です。
しかし残念なことに多くの外張り断熱工法は30mm以上の断熱材を使えないようで、60mmの充填断熱よりも断熱性能が下回る例が多いようです。 |
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外張り断熱工法 |
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充填断熱工法 |
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うえの図に示すように外張り断熱工法の壁は間仕切り壁と同じように、柱・間柱部分以外は空洞になっています。外張り断熱工法ではこの空洞に障害物がなく、 8-4-1の断熱と気密・防湿に説明した床下→小屋裏への気流は充填断熱よりも激しくなります。基礎断熱とするか確実な気流止めの措置を忘れないでください。 |
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