3-4-3 木造建築物の断熱 (3/10)
木造建築物の断熱
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充填断熱−壁の断熱
 「充填断熱と外張り断熱」の項で、繊維系断熱材は空気と水蒸気を通しやすい性質を持っている
ことをお話しました。断熱材内部に冷気や水蒸気が入らないよう、また断熱材の中に入った水蒸気
が適切に排出されるよう断熱材の湿内側には気密・防湿層、屋外側には防風・透湿層を設け、通気
層や透湿抵抗の少ない外装材を使って壁内結露が起きないように配慮します。

 ただし、個別の対策を信頼しすぎることは禁物で、防湿層には傷がつくものだと考えておくべき
です。外壁下部の土台上には僅かな結露が起きても支障がないように念のため防湿紙や水切り板を
用意する程度の周到さが望まれます。



外壁の気流止め
 在来木造工法の壁は、一般に屋外扱いになる床下から1階・2階の室内を経てさらに屋外扱いになる小屋裏に通じています。
 壁の断熱材中の空気が暖められると下左の図に示すように断熱材中の空気が床下から小屋裏へ向かって流れようとします。この空気の流れが起きないようにするには内壁側の気密・防湿層、外壁側の防風・透湿層に加えて、床下及び小屋裏で壁の空気が移動が移動しないように確実に気流止めを設置する必要があります。

 上の図の右側付加断熱は、多くは断熱材の屋外側に付加断熱するタイプのものが多く紹介されていると思います。断熱材の外側ではなく、防湿層の内側に付加断熱することで、@ コンセントや給水配管が気密・防湿層を傷める恐れが減る、A 夏型結露の緩和に役立つ、などのメリットがあると言われています。

 床と外壁の取り合い部分では、下の図のように内装下地と断熱材の間に中空層を生じないように断熱材をしっかり充填し、防湿シートや木材を使って気流を止める必要があります。



断熱材の充填方法
 断熱材は外壁の内装下地面に密着して充填することが大原則です。
 断熱材が下地に密着していないと暖められた空気が上昇気流となり、油化したから礼気流を招くほか、気流止めがある場合でも壁内部で空気の対流を起こし室内空気から熱を奪う原因になります。
 枠組壁工法では下、左上のように壁の空洞一杯の厚さの断熱材が多く使われますが、在来工法ではほとんどの場合下、左下のように空洞の厚さの半分ほどの厚さを持つ断熱材が使われています。
 その結果、右上の悪い例と示されたような壁材との間に大きな隙間を持つ施工がほとんど避けられない状況があります。

 なぜ、こんなに薄い断熱材を使うのでしょうか?縦の断面を見るとすぐ判ります。右下の縦断面のように胴縁や筋交いがあると隙間に十分な厚さの断熱材を充填することができないのです。

壁の空洞一杯の厚さの断熱材を使用  一杯の厚さの
断熱材は、押し
込んでも入らな
い。
厚さ50mmの耳付き(袋入り)断熱材を使用
 うえのずで、構造用合板とウェザーバリアを併用していますが、私はこれに少し疑問を感じています。合板やシージングボードにはウェザーバリア以上の防風透湿性があるので、スタッドに直接壁胴縁を取り付ける場合を除いて防水紙を使うだけで充分ではないでしょうか?


断熱材の密着と冷気流の発生
 断熱材が内装材に密着しない、あるいは外装材側に寄って配置されている場合、室内空気によって暖められた内装下地裏側の空気は対流を起こして下の図のように移動し、内装下地と断熱材の間に冷気が侵入するので断熱材の効果は著しく少なくなります。



断熱材の施工精度と断熱性能
 断熱材は軸組の中の空洞をもともとの形で充填しているときに本来の断熱性能を発揮します。下の図は、適切な状態と大きく切断した断熱材を無理に押し込んだ状態、小さく切断して軸組材との間に隙間ができた状態の断熱性能を比較した例です。僅かな施工ムラが大きな性能低下に繋がることがわかります。

※ いずれも下側が室内側になります。
 上の図表は判り難いですが、実験により熱貫流率を求めたものです。室内と断熱材の間に空洞があると気流により熱損失が大きくなり、大きな熱損失があることを示しています。上下の気流止めの精度によって熱貫流率に差が出るものと考えたほうがいいと思います。



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