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外張り断熱工法
外張断熱工法は充填断熱工法に勝るか?
外張断熱工法の多くは充填断熱工法を問題の多い断熱工法と考えているようです。
しかし、「外張断熱工法は高度の技術を必要」として「充填断熱工法に比べると費用も嵩む」と
いう説明を読むと、一体どのような充填断熱工法と比較しているのかと疑問を感じることがありま
す。
少なくともきちんと気密・防湿シートを貼り軸組(枠組)内に隙間なく断熱材を充填することを
考えれば、ボード状の発泡樹脂系断熱材を隙間なく貼ることが高度な技術を必要とし、費用も嵩む
のだろうかと疑問を感じないではいられません。
これらの説明は、「充填断熱とは袋入り断熱材を壁の中に適当に入れておくこと」で、外張断熱
工法はそれに比べて「高い技術と余分な費用が掛かる」とと理解すればいいのでしょう。
適切な断熱工法ならどんなものにも当てはまることです。
断熱性能を比較する場合、どちらがどれだけ熱損失が多いか、そしてそれに掛かるコストはどれ
だけか、本質的な課題から目を逸らさないようにしてください。
外張り断熱工法のメリット
外張断熱工法と充填断熱工法の違いを外張工法のメリットになる点は、次の2点になります。
1.外側から断熱材で構造材を包むために、軸組を貫通するボルトなど緊結金物が熱橋にならな
い。
2.木材を室内空気側に置くので木材の熱容量や調湿能力を生かすことができる。
ただし、ビニールクロスなど内装材に外張断熱工法の特性を生かさない素材を使えば外張工法の
特性を利用することはできません。
外張り断熱工法の新しい試み
最近の外張断熱工法にはいくつかの新しい試みが見られます。
ブラケットによる外壁支持
そのひとつは、外壁支持用にブラケットを用いて外張断熱材に厚い鉱物繊維系断熱財を使うもの
です。
鉱物繊維系断熱材を使う外張断熱工法は、充填断熱工法と同様に気密・防湿シートを使って結露
を防ぐ必要がありますが、充填断熱の場合には梁や床根太などの横臥材が気密・防湿シートを貫通
し、各所でテープやシールを使った気密処理が必要になりましたが、躯体の外側を断熱する場合に
は気密・防湿工事が簡略化されます。
同じ精度で気密・防湿工事をするとしたら、梁や根太のある軸組の室内側に気密防湿層を取り付
けるのと、屋外側に取り付けるのとどちらが簡単で確実な工事ができるでしょうか? 当然屋外側
に気密防湿層を取り付けるほうが低価格で確実な施工ができるはずです。
国際的に比較すればまだまだ高水準とは評価しがたい本州各地の次世代省エネ基準をかろうじて
クリアできる断熱性能では30mm内外の厚さの断熱材で規格を満足できるとしても、温暖化防止対策
や化石燃料の枯渇を念頭に置いた将来の省エネ・断熱基準を満たすことは困難になると思われるの
で、ブラケットによる外装壁の固定は外張断熱工法に使う断熱材の厚さの制限を取り除く良い方法
だと思います。
EIFS型断熱工法
RC建築物に使われるEIFSと呼ばれる湿式断熱工法があります。木製下地に樹脂モルタルや
取付金具を使って取り付けられた押出法発泡スチロール樹脂表面にカラー樹脂モルタルで着色仕上
げをする方法で、外装材の重量が軽いため使用する断熱材の厚さに制限がありません。
外張断熱工法の造作壁
兵庫県の加古川市に「大工産」という住宅会社があります。この会社が販売している「DM外張
断熱工法(=温雅)」と命名された外張断熱工法の住宅は初めて見ると驚くほど変わっています。
先ず、普通の外張り断熱工法の家なら間違いなく使われている内装の壁がありません。柱が外壁
周りほぼ90cm間隔に建てられ普通なら構造用合板が貼られている柱の外側に厚さ30mmの無垢の杉板
が貼られ、期の香りが室内に充満しています。
普通の家なら、内壁として石膏ボードが貼られさらにビニールクロスが貼られていますので外張
断熱材を貼る木材下地が見えることはないのですが、温雅では内装壁はなく、柱の外側の面までが
室内として使えるのです。
この考え方は上のEIFS型の外張り断熱工法でもその他の外張り断熱工法でも充分に利用でき
るものです。在来工法で 3.5寸の柱を使っていれば壁全体に文庫本を収納できるだけのスペースが
作れますので、大きなメリットがあります。
収納スペース以外にこの考え方にはいくつかのメリットがあります。
まず、大量の木材を室内に取り込むことができるので建物の熱容量が大きくなります。RC外断
熱工法並みとは行かないとしてもおよそRC外断熱工法の半分近い熱容量を持つことになります。
さらに、熱容量を持つ木材は調湿材でもあります。室内に大量の木材を取り込んでいることは珪
藻土を薄く塗った壁よりも遥かに大きな調湿能力を持っています。
温雅では一般の外張り断熱工法よりやや厚い40〜50mmの発泡樹脂断熱材を使用しているというこ
とです。
この温雅はフランチャイズでも展開され「日々木」と言う名前で各地の工務店から販売されてい
るそうです。
外張断熱工法も「外張」という名前ではなく、性能値(Q値)や室内環境特性を基準に選ぶ時代
になってきました。
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