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基礎断熱と屋根断熱
ここまで、床下と天井面を断熱ラインとする断熱方法についてお話してきました。
床下と天井裏部分の断熱方法としてはこのほかに「基礎断熱」と「屋根断熱」という断熱方法が
あり、断熱ディテールも単純で、将来リフォームする場合も複雑な変更なしに間取り変更ができる
メリットもあります。
基礎断熱
基礎断熱はコンクリートの基礎部分を鉄筋コンクリートの外断熱のように外側から断熱する断熱
工法です。
コンクリートの室内側はRC建築物と同様室内扱いになりますから、間仕切壁の気流止めなど床下
から間仕切への冷気流などを考慮することなく間仕切りを自由に移動することができます。
さらに、コンクリートの基礎を室内側に取り込むことで建物の熱容量を増やし、室内温度変化の
幅を「床断熱−天井断熱」のときよりも小さく安定させることができます。
基礎コンクリートの重量は建築面積あたり500kg程度とRC建築物に比べれば僅かなものです
が、それだけで建物全体の熱容量を60%近く増やし、温度変化を30%以上少なくする効果がありま
す。
ほかの項で「基礎の接地面に断熱材を配置する場合、断熱材の圧縮強度が地盤耐力よりも小さい
と建物の構造の安全に支障がある」と書いた記憶があります。
樹脂系断熱材の圧縮強度は種類によって次のような数値となります。
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EPS |
特号 |
1号 |
2号 |
3号 |
4号 |
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14N/cm2以上
(14t/m2以上) |
16N/cm2以上
(16t/m2以上) |
12N/cm2以上
(12t/m2以上) |
8N/cm2以上
(8t/m2以上) |
5N/cm2以上
(5t/m2以上) |
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XPS |
1種a |
1種b |
2種a |
2種b |
3種a |
3種b |
10N/cm2以上
(10t/m2以上) |
16N/cm2以上
(16t/m2以上) |
10N/cm2以上
(10t/m2以上) |
16N/cm2以上
(16t/m2以上) |
10N/cm2以上
(10t/m2以上) |
20N/cm2以上
(20t/m2以上) |
ほとんどの断熱材が木造住宅程度の荷重に充分耐えますし、コンクリート像の荷重に対して安全
なものもあります。設計地耐力以上の圧縮強度のある断熱材を使うことで、安全に基礎底面を断熱
することができます。
半地下式建物の基礎
都会では住宅地の細分化が進み、狭い敷地を有効利用しようと地下室・半地下室を持つ建物が増
えています。基礎断熱で建てられる家は床の高さが高いか低いかの違いはありますが半地下式建物
と同じように地熱(地温)の影響を受ける特性があります。
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半地下式建物の基礎
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断熱材が使われていないと地中にある基礎の温度は周辺の土の温度に同調します。
基礎断熱や半地下室の基礎内部の空気は床断熱のときのように外気に開放して換気できないの
で、基礎が室内空気の露点温度以下に冷やされないよう配慮する必要があります。
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半地下式建物の基礎と結露
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断熱材を使わないと基礎部分の温度はなかなか20℃以上になることはありません。このような基
礎を内装材で仕上た場合、見えない床下や壁の中で木材にカビが生え、あるいは木材が腐るなど建
物の快適さと耐久性を損ないます。
屋根断熱
屋根断熱では垂木の間に断熱材を充填します。垂木が断熱ラインになるので小屋裏空間は室内側
に取り込まれます。
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天井断熱と屋根断熱
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屋根断熱の注意点は断熱材と野地板の間の通気を確保して、熱せられた屋根面からの熱を効率よ
く排出できるようにすることです。断熱材が通気断面を塞がないように段ボール製の溝型に加工さ
れた部材「屋根断熱通気スペーサー『通気くん』」(株式会社マグ)を使う方法や垂木表面にボー
ドを張って通気断面を確保する方法があります。
棟には換気(排気)用の金物「棟風(むねかぜ)」(新日軽株式会社)などを使い、庇には吸気
用のガラリを取り付けます。(天井断熱でも同様に小屋裏を換気します)
天井または屋根の夏の断熱は断熱材と屋根面の間の通気が適切に保たれているときだけ本来の性
能を発揮します。通気されていないと小屋裏(水色の部分)の温度は50℃以上になり、大きな冷房
負荷を与えます。
換気扇を使う裏ワザ
切り妻屋根では小屋裏換気を改善するのが簡単で効率もよいのですが換気扇で小屋裏換気を改善
する方法もあります。
三菱電機の換気排熱ファンは天井付近に溜まった熱気を小屋裏経由で屋外に排出するものです
が、小屋裏上部に外部への排気口がない場合、小屋裏の温度事態を下げる効果は余り期待できませ
ん。
松下エコシステムズの屋根裏換気システムはダクトにより棟付近の熱気を集め、軒裏から屋外に
排気します。換気風量は約600m3(強)と約400m3(弱)ですが、棟換気に比べると排熱効果
は劣ります。
小屋裏換気を改善すると夏の暑さは緩和されますが断熱をしっかりしていない場合には冬の寒さ
が増すことになります。また、小屋裏換気の悪い建物は小屋裏で結露が起こりやすい傾向がありま
す。
屋根断熱と基礎断熱を使った建物は間仕切壁が冷気の通り道になる恐れがないので、在来木造工
法の厄介さの幾つかが解消されます。
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