3-4 木造建築物の断熱 (9/12)
木造建築物の断熱
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外張り断熱−壁の断熱
 外張り断熱工法では繊維系断熱ボードと、樹脂系断熱ボードを使うことができます。

 樹脂系断熱ボードは繊維系断熱材に比べて空気と水蒸気を通しにくい性質を持ち、単一材料で作られた壁は内部結露も起きにくいので、断熱材どうしを気密シールすれば気密・防湿層、防風・透湿層を設ける必要はありません。施工が単純になるので、木造外張り断熱では樹脂系断熱材が多く用いられます。

 樹脂系断熱ボードを使うとき、軸組内部に繊維系断熱材を充填すると透湿抵抗の大きい駆使系断熱材と透湿抵抗の小さい繊維系断熱材の境界に結露させることになります。壁全体の熱抵抗の1/3以上となる断熱材を充填すると建物の健全性を損ないます。

 軸組内部に繊維系断熱材を充填し、壁の熱抵抗値を大きくしたい場合には外張り断熱材にグラスファイバーボードのような透湿抵抗の小さい断熱ボードを使用します。この場合、充填断熱と同様、断熱材の室内側に気密・防湿層を設ける必要があります。
(右図)

 外装材の透湿抵抗が大きい場合外装材裏側で結露を起こす恐れがあります。EIFSまたはEWISなどのシステムを使用する場合通気層を設ける必要はありませんが、それ以外の外装材を使う場合通気層を必要とするケースが多くなります。

外張り断熱の壁空洞に断熱材を充填する例

 外張り断熱工法概念図

 上の図は外張り断熱工法を模式化したものです。図では床をRCと同様なスラブ断熱、屋根(または天井)を屋根断熱としています。
 小屋裏と床下に外気を入れる構造にすると外壁・間仕切壁が床下・小屋裏と交わる部分で気流止めの措置が必要になります。したがって、床下・小屋裏に外気を入れない構造とすることで施工上の問題点の多くが解消されます。
 上の模式図では断熱材の外側に通気層が設けられています。EIFS(EWIS)工法のように断熱材の表面が十分な透湿性を持つ場合には、通気層は必ずしも必要ではありません。

 屋根・外壁・床の断熱工法はそれぞれ独立した断熱工法です。断熱材の連続性が確保されていれば、必ずしも上の模式図の通りである必要ななく、次のような組み合わせも可能です。

部  位
断熱の方法
備             考
屋根又は天井 屋根面断熱 上の図の断熱方法 垂木の上に断熱材を載せる
垂木間断熱 垂木寸法までの断熱材が使える
天井断熱 小屋裏に外気が入る 天井と壁の接続部に気流止めが必要
外  壁 外張り断熱 使用できる断熱材の厚さに限度があることが多い
外張り充填併用断熱 熱貫流抵抗を大きくできるが気密・防湿措置が必要
充填断熱 外張り断熱とは言えない
床または基礎 スラブ下断熱 上の図の断熱方法 RC造に準じる
床面断熱 床下に外気が入る 床と壁の接続部に気流止めが必要
基礎断熱 (外断熱) 床下を暖房区画に取り込む 熱橋ができない
基礎断熱 (内断熱)  同上          熱橋ができやすい



断熱材の張り付け方法
1.釘打ちによる張り付け
 外張り断熱工法で、最も一般的に使われている断熱材の張り付け方法です。釘の曲げ抵抗の限界から、取り付け可能な断熱材の厚さが25〜30mm以下に制限されます。
 今のところ最も熱伝導率が低いとされるネオマフォーム断熱材を使った場合の断熱材の熱貫流抵抗は1.19〜1.43となり、それぞれ高性能グラスウール32kg品40mm〜48mm(純性能)、48〜58mm(木材の熱橋が20%あると考えた場合)と同じ断熱性能を持つことになります。
 この熱貫流抵抗はロール断熱材(グラスウール10kg品 厚さ50mm)の1.0空隙や切れ目を考慮した実効値0.5に比べて2〜3倍の性能があるものの、セルロースファイバー吹き込み充填工法の実効値2.16に比べると1/2〜2/3の断熱性能しかありません。


2.ブラケットによる支持
 公庫の地域指定T、Uの地域では、釘打ちによる取付では十分な厚さの断熱材が使用できないことがあり、ブラケットを使って断熱材及び外装材を支える胴縁を固定する方法が開発されています。
 熱橋としないためにプラスチックで作られたブラケットがどの程度の耐用性を持つか気になりますが、釘打ちよりも厚い断熱材が使えるようになったという点は評価できます。
 この工法では断熱材の厚さにあわせたブラケットを使えば断熱材の厚さ制限はありません。


3.その他の外張り工法
 鉄筋コンクリート建築物の外断熱工法で使われる湿式外断熱工法は、木造建築物の外張り断熱工法にも使用することができます。
 断熱材の取付方法はモルタル面に樹脂モルタルで断熱材を接着、壁面にガイドレールを取り付け断熱材をはめ込むなど多数の中から適した方法を選択できます。
 湿式外断熱工法は外装仕上を含むシステムなので、サイディングなど重量の大きな外装材を必要としないメリットもあります。

 パーマストン工法と呼ばれる人造石を仕上に使う断熱工法も外張り断熱工法に分類されます。



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