3-4 木造建築物の断熱 (10/12)
木造建築物の断熱
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枠組壁工法
 枠組壁工法は欧米で発展した木造工法で日本では2×4のランバーで壁枠を造ることが多いので、「2×4工法」の名で知られています。

 枠組壁工法は階ごとに独立した床パネル・壁パネルを積み上げ、パネルの空洞に断熱材を充填します。床下から室内、室内から小屋裏はパネルで仕切られるので在来木造のように外壁・間仕切壁の内部を外気が通り抜けにくい構造になっていること、パネル内部はボードとランバーで直方体の空洞があり、マット状断熱材を完全充填しやすい構造になっています。


 枠組壁工法概念図

 上の図は枠組壁工法を模式化したものです。枠組壁工法では1階床パネル−1階壁パネル−2階床パネル−2階壁パネルと壁構造のRCと同様にパネルを一体構造に組み合わせて建物構造体をつくります。
 在来木造工法と違って、床下−壁−小屋裏への気流が遮断されているため、外壁・間仕切り壁内の気流により室内が冷やされる(冷房中は暖められる)恐れが少なくなります。
 上の模式図では天井断熱・床断熱を示しています。屋根断熱−基礎断熱とすることも可能です。
各部分の納まりと防湿処理
1.床−外
 右の図のように防湿シートを下枠まで貼り、パッキン・気密テープ・コーキングなどを使い床パネルとの間で気密・防湿シールします。
 この熱貫流抵抗はロール断熱材(グラスウール10kg品 厚さ50mm)の1.0空隙や切れ目を考慮した実効値0.5に比べて2〜3倍の性能があるものの、セルロースファイバー吹き込み充填工法の実効値2.16に比べると1/2〜2/3の断熱性能しかありません。


2.壁−2階床
 左上の先張り防風シートを床パネルの外側に回す方法は防湿層を低温部に回すことになり内側に結露を招く恐れがあります。

 樹脂系断熱材など透湿抵抗を持つ断熱材を防湿層として使用する右上の図のような方法が適切でしょう。
 下の図のような方法で施工し、壁際の床パネルに繊維系断熱材を充填する方法もあります。

 次世代省エネ基準ではT地域のみで床パネル枠部分の断熱が要求されています。

3.間仕切り壁と外
 耐力壁となる間仕切り壁は外壁と一体になって果汁・外力を支えます。
 外壁と間仕切り壁の取り合う部分では間仕切り壁と外壁の構造材の間に先張り防湿シートをはさみ、防湿シートとシールできるようにしておきます。

 非耐力壁では、下図のように防湿シートを張ったあと壁枠を組むことで外壁面に連続した防湿層を回すことができます。


4.セットバックと
   オーバーハング
 セットバックは2階の床面積が1階より小さい場合に良く見られる形です。(もちろん屋根がかかりますからこの形が外に現われるわけではありません。

 これに比べればオーバーハングは見慣れない形かもしれません。

 先入観かもしれませんが、床に比べて壁の断熱が薄く見えませんか?
 2×6や2×8の壁枠材を使いたくなるのは私だけでしょうか?

5.間仕切り壁と天井
 基本的に外壁と間仕切り壁の交差部と同じ考え方で防湿シートを使います。

蛇足
 ここで、また気になっていることがあります。
 枠組壁工法では通常繊維系断熱材を使います。繊維系断熱材は同じ断熱性能を出すには価格も安く、経済的なのですが、2004年の夏に皆様にご紹介した日本の気象観測データから考えると関東・高親閲以西の多くの場所で逆転結露の危険性があります。
 木造住宅の場合、防湿シートの屋外側が濡れることになり、断熱材も濡れます。

 この逆転結露を防ぐ方法を2〜3ご紹介します。
対         策
考    え    方
1.  防湿層の内側に付加断熱する  防湿層を冬の結露が起きない範囲で夏の高温側に移動させる
2.  防湿層の素材を選択する  相対湿度によって透湿抵抗が変わるシート材を使い、結露を起き
にくくする
3.  アイシネンなど樹脂系断熱材の充填  樹脂系断熱材は透湿抵抗を持ち、木造では逆転結露を招かない

 結露防止の考え方は気候条件などによって微妙な問題があります。決して自己流の解釈をしないで、お問い合わせのうえ実施してください。

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