|
|
あなたが家を造ろうと思ったときから、計画を進め、設計・工事と段階を踏んで新しい生活が始ま
るまでに多くの物語があるはずです。でもそれは物語のプロローグに過ぎません。
完成した家で新しい暮らしが始まり、そこで子供が育ち、そして立てた貴方は年を取っていく。貴
方が年をとっても家はまだ若々しい壮年期にあるかもしれませんし、あなたと一緒に年老いて行くか
もしれません。
おじいさんの一生をそして、子供や孫の生い立ちを見つめていたあの「大きなノッポの古時計」に
ひとつの物語があったように、あなたの建てる家にも「あなたの家の物語」があります。
できるならば、数十年の短い物語ではなく、貴方の家族の将来を見つめる悠久の物語を持つ家にな
って欲しいのです。
高断熱+自然エネルギーを利用した
毎日の暮らしを優しく包む快適な暮らし心地の家
寿命100年を目指す耐久性の高い家
温度変化が少なく、ランニングコストが掛からない家
私ども、有限会社日本外断熱総合研究所は快適な室内環境の家、できるだけランニングコストの掛
からない家、100年以上もつ長寿命な家造りにこだわって、皆様の家造りをお手伝いします。
ご夫婦で家造りをお始めになるときに、これから建てる家のイメージを話し合うときに、是非お読
みいただきたいと思います。
さあ、「あなたの家物語」の始まりです。
家物語は長い物語になる可能性があります。第一幕は家を建てようとしてから家が出来上がるまで
の半年から二年ほどですが、あなたが暮らし始めてから家が壊されるまでの物語は親子、そして孫や
ひ孫までの数代の壮大なドラマになるかもしれません。
ちょっとした作り方の違いで家の耐久性の違いは数倍になりますが、そのコストの差は十数パーセ
ントにしかなりません。それだけの違いで僅か数十年後に家を建て替えるかそのまま暮らせるかの違
いが生じます。
あなたの家にはどんな物語を語らせたいと思いますか?
|
「断熱性能」と言うとK値、Q値、C値など耳慣れない言葉が連発され、予備知識がないまま飛び
込むと頭が痛くなるような話が続きます。
実際に家を建て、そこで暮らすには理屈よりも断熱のいい家に暮らすことがどんなことか易しく理
解できる情報こそが必要でしょう。
この項目、『あなたの家物語、始まる』は、皆様の暮らしの舞台になる家造りを進めるときにどん
な感性でものごとを受け止めればいいかをお話していきます。
あなた方がハウスメーカーやホームビルダーに「家を建てて欲しい」と依頼すると、建物の断熱性
能は公庫融資が受けられる「新省エネ基準」か、割増融資が受けられる「次世代省エネ基準」のいず
れかを満たす基準が提案されるはずです。それ以上の断熱性能を提案されるケースは非常に稀で、多
くの場合ありえないかもしれません。
その原因は、「次世代省エネ基準」以上の断熱をしても何も優遇措置がないことでしょう。
断熱性能の基準は、「少なくともこれだけは必要だ」という最低レベルを示したもので、「ここま
で断熱すれば充分だ」というものではありません。
良く笑い話のように言われますが、断熱基準を制定する大学や研究機関の研究者が、自分の家を造
るときに基準の2倍以上の断熱材を使うというのはあながち間違いではないようです。
でも一般人のあなた方が、普通の家より2倍も断熱材を使った家を造ろうとすれば必ず反撃にあう
でしょう。基本的に工場生産部品をアセンブル(組立)して造られる量産住宅には社内仕様以外の部
品(部材)を組み込むことはできないようになっているのです。
もし、あなたが本当に快適な家を造りたいと思うのなら、あなたの希望を実現できる設計者と施工
者を選ばなければなりません。
|
もう20年程前になるでしょうか?
オランダの新聞が「エコノミックアニマルと呼ばれる日本人は、兎小屋のような家に住んでいる」
という記事を書き話題になったことがありました。
当時、「兎小屋」が貧弱な家を意味していることは想像できたとしても、欧米人がどんな意味で
「兎小屋」と呼んだのか大方の日本人は理解できませんでした。
と言う私自身も、当時は「住宅の狭さや低価格の建売住宅を揶揄されている」程度の認識しかあり
ませんでした。しかし、実際にヨーロッパの住宅の造り方と日本の住宅の造り方を比べてみると「な
るほど兎小屋といわれるわけだ」と気付かされる大きな違いがあります。
ドイツや北欧の秋は日本の冬ほどの寒さがありますが、秋でも、もっと寒い真冬でも日本の住宅で
感じるような「冷え」を感じることがありません。
部屋には人肌よりやや温度が高い程度の小さなパネルヒータがあるだけで、日本の家のようにエア
コンが唸りを上げることも、ストーブを焚き続けることもありません。断熱性能の高いヨーロッパの
家はパネルヒータからの僅かな熱で充分に暖まり足元が冷えることもありません。
私もそれほど多くの家を見たわけではありませんが、ヨーロッパでは床暖房と暖房便座を見たこと
がありません。それどころかスウェーデンでは湯船のない家が50%近くあります。日本では「入浴
して身体を温めないと眠れない寒さ」を感じることがありますが、暖かい室内では真冬にシャワーを
浴びただけでも家の中で快適に過ごすことができます。
断熱の悪い家を造って、「足元が寒いから床暖房が必要だ」、「トイレが寒いから暖房便座が必要
だ」と様々な局所暖房機器を装備するのが『日本流』ですが、家の断熱性能を上げれば冬布団、さま
ざまな局所暖房器具、季節ごとの着替えに至るまで収納場所を要求する様々なものが要らなくなりま
す。
日本人も家の断熱と暮らし心地に満足しているとは思えません。日本の冬の寒さはヨーロッパ、特
に中欧・北欧に比べるとそれほど厳しいものではありませんが、自分の住む地域や住まいの冬の暖か
さに満足している人に出会うことはほとんどありません。「日本の住まいでは北欧の人たちよりも寒
さを我慢した暮らしをしている」これがヨーロッパの住まいを見た実感です。
東京にも多くの欧米人がいます、そしてたくさんの賃貸住宅があります。でも欧米人の住む賃貸住
宅は一部の「外国人向け賃貸住宅」に限られています。
立地条件など建物の仕様以外の条件もあるでしょうが、「熱を逃がさない家かどうか」によって暮
らし心地の違いが左右されているように感じます。
|
Mさんから相談の依頼を受けたのはすでに確認申請が通り、建て替えのために家を解体する運びに
なったあとでした。
「ALCは断熱性能がいいので暖かい家になると聞いていたが、調べてみると荘ではなさそうだ。
どう設計を変えれば暖かく暮らせるのか教えて欲しい」電話はゴールデンウイークが過ぎた5月中旬
に掛かってきました。
初めは鉄骨造ALC版張の建物の断熱工事をどのように進めるかが検討依頼の内容でした。
しかし、鉄骨の変位に追従するように取り付けるALCと変位を嫌う断熱工法を組み合わせる方法
が見つからずに困っているときに、Mさんから「一番良い方法で設計をやり直して欲しい」と新しい
依頼を受けることになったのです。
100万円以上掛けた初めの設計を思い切り、着工を2ヶ月遅らせてでもあとで後悔しない家を建てた
いとお考えのMさんに意気に感じて急ぎの設計に取り掛かりました。
Mさんはこのサイトをご覧になっていて、私を信用してくださっているのが良く判りましたが、奥
様は心細い思いでいらっしゃったことと思います。
仮住まいのアパートを「ここはエアコンも良く効くし、前の家よりも快適だ!」とおっしゃるご夫
妻に「新しい家はこんなものではありませんよ!」とお話しながら、「住んだことのないRC外断熱
工法の暮らし心地は家ができるまで判ってもらえないだろうな?」と考えていました。
Mさんが私に設計を任せてくださったときにこんなことをおっしゃっていました。
「前の家は自分がまだ子供だったときに親父が立てた家だ。それをたった35年ほどで子供の私が
壊して建て替える。」
「前の木造の家は地盤沈下で傾き、シロアリも着いていた。親父がやったよう家造りをすれば二人
の息子のどちらかがまた私と同じように建て替えをしなければならなくなるだろう」
「豪華ではなくてもきちんと長持ちする家を造りたい。そのために多少お金が掛かっても息子の代
でまた建て替えする家は造りたくない」
家が竣工したのは12月半ば、もう寒くなっていました。新居への引越しの10日ほど前から暖房を
掛けて家を暖めていただいていましたが、引越しの前の晩夜10時過ぎまで新居で引越し準備のあと仮
住まいに戻るとき外の寒さに驚かれたといいます。
まだ室温は充分暖かくなってはいませんでしたが18℃近い室内と 0℃前後の屋外、新居の中では冬
になっていたことを忘れていたとおっしゃっていました。
「町内会費を集めによそのお宅に行くと窓ガラスが曇っているのよね。うちも昔はあんなふうにガ
ラスに結露していたのを思い出しちゃった」新しい家での暮らしに満足そうに話してくださるMさん
の奥様に、「昔、仮住まいのアパートで私が『新しい家の住み心地はこんなものではないですよ』と
お話したときに今の状態が想像できましたか?」と尋ねてみました。
|
私達の体は体内で栄養素を燃やして体温を維持しています。
安静時と作業をしているときで体内で発生する熱エネルギーに差はありますが、内臓の温度は約
38℃、皮膚表面の温度は36℃前後です。
私達の体は周りの空気の温度が23〜26℃のときに快適に感じるのは内臓や筋肉で発生する熱がスム
ースに放散され体温を維持することができるからです。
気温が低すぎると体温を維持できないので厚着をする必要があり、高すぎると体温を下げるために
発汗します。さらに気温が高くなると身体で発生する熱を体外に逃がせなくなり熱中症のような疾患
の原因になります。
人間に最も快適な温度は23〜25℃。湿度や風の状態にもよりますが、20〜28℃なら特別に空調を使
わなくても普通に暮らすことができます。
そこで、「暖房をするなら20℃に、冷房は28℃に設定しましょう」などといわれているわけです。
ところで冷房や暖房をするとき、断熱性能の悪い建物ほど天井付近が暖かく、床が寒くなります。
内断熱RC住宅や普通の木造住宅では空調中の上下温度差は 5℃ほどになります。
「エアコンを使うのは嫌いです」良く耳にする言葉ですが、エアコンからの温風や冷風自体と場所
によって大きな温度差を感じることが「エアコン嫌い」の本質ではないかと思います。
足元の温度を快適にすれば頭の位置ではのぼせるほど暑くなり、反対に頭の温度を快適にすれば足
元が冷え込むアンバランスな温度分布になるのです。サーキュレータを使って空気を攪拌すると上下
温度差は小さくなりますが、冬の乾燥した空気を攪拌すると肌への刺激はきつくなってしまいます。
断熱性能を高めるとエアコンから大きな熱量を発生しなくても室内温度を維持できるようになりま
す。部屋を同じ温度に維持するために必要な温風の吹き出し量が半分になれば上下温度差も半分程度
に減ることになります。
そのほかRC内断熱工法と外断熱工法には、家の温度分布の調整の機能に大きな違いがあります。
内断熱工法のコンクリート躯体は大部分が断熱材で覆われているため部屋の空気と熱エネルギーを
受け渡すことができません。天井に暖かい空気が集まってきても空気の持つ熱エネルギーをコンクリ
ートに伝えないようにしています。ここで、コンクリートに熱を伝えればすぐに屋外に熱を奪われて
しまうのですから、仕方がないといえばその通りです。
断熱材がコンクリートの外側にある外断熱工法では部屋の空気の持つ熱はコンクリートに伝えられ
ます。天井に暖かい空気が接するとその熱はコンクリートの中を伝わってより温度の低い部分に伝わ
っていきます。暖められた空気は軽くなって上昇し、天井付近のコンクリートを温めます。
コンクリートに伝わった熱はコンクリートのより温度の低い部分に伝わっていくのでコンクリート
全体の温度が1〜2℃以内とほぼ均一になります。
床の温度を20℃に暖房すれば天井付近の温度も21℃程度、冷房でも床の温度も天井の温度もほとん
ど変わらないとすれば、不快な思いをして空調を掛けることもありませんし、余分にエネルギーを使
うこともありません。
断熱の切れ目(熱橋=ヒートブリッジ)はコンクリートに伝わった熱を外に逃がすことになるので
出来る限り小さくする必要があります。
私などはどちらかといえば鈍感な身体を持った人間ですが、アトピー、アレルギーその他体質によ
って環境から大きな影響を受ける方がいらっしゃいます。
これらの体質の方に予断を持ってお話しするつもりはありませんが、変動の小さな室内環境を是非
体感して欲しいと思います。
ここまでは一定の温度に空調しているときの室内の位置による温度差の問題をお話して来ました。
今度は時間の経過による温度差です。
外気温度は午後二時くらいに最高温度を記録し、日の出数分前に最低温度を記録します。その間は
概ねサインカーブに似た変化をしています。
最高気温と最低気温の差は平均10℃ほどで、温度差が大きいときには20℃近く変化することもあり
ます。
外の温度が変化するとき、空調をしない室内の気温は建物の温熱性能にしたがって外気温度に追随
して変化します。
モデル計算をすると内断熱工法のRC建築物では毎日の温度変化が外気温度の変動幅の60%ほど、
外断熱工法のRC建築物では外気温度の変動幅の5%ほどと安定します。
木造の高断熱建築物では外気温度の変動幅の40%ほどの振幅で室温が変動し、ほとんど断熱されて
いない建物では外気温度の変動幅の80%ほどの振幅で室温が変動します。
外気温度が10℃の範囲で変動するとき、室内温度の幅は中欄ようになり、外気温度が16℃から26℃
の間を変化するときの室内温度変化域は右欄のようになります。
|
|
種別
|
室内温度差
|
温度変化域
|
|
RC外断熱
|
0.5℃
|
20.75〜21.25℃
|
|
RC内断熱
|
6.0℃
|
18.00〜24.00℃
|
|
木造高断熱
|
4.0℃
|
19.00〜23.00℃
|
|
木造一般
|
8.0℃
|
17.00〜25.00℃
|
|
時間による温度変化が大きいほど、「夜寝るときは暑かったけれど夜中に寒くなった」などトラブ
ルを起こしやすい条件になります。
気温と健康について「2-2-1住まいと健康」で触れています。
|
|
|