2-1-8/8  あなたの家物語、始まる(8/8)

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省エネルギー 快適な家 夏の安眠対策 物語の終わりは来るか?


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夏の安眠対策
 冷房も暖房もなかった時代から、日本人は夏を快適に暮らす工夫をいろいろと凝らしてきました。

 ここ数十年、空調の普及によって夏の暮らしにくさはいくらか改善しましたが、空調を入れないと 夏の夜が寝苦しいことは昔と変わりません。交通騒音や大気汚染、住宅の敷地が狭くなり近隣の家と 接近して建てられる家が増えたことなど、「暑ければ窓を開けて寝る」というライフスタイルを続け ることが難しくなっている方も多くなっていることでしょう。

 ここでは、蒸し暑い夏の夜を少しでも快適に過ごし、安眠できるようにするにはどうしたらよいか を考えてみましょう。


睡眠には体温を下げる必要がある
 子供を育てたことがある方はよくご存知でしょう。子供が眠る前には手や足の温度が温かく感じら れます。睡眠に至るには内蔵の温度を1〜2℃下げる必要があり、子供は手や足をラジエター代わり にして体温を下げています。手足の温度が高くなるのは内臓温度を下げるための放熱を盛んにするた めの手段だったのです。

 子供だけでなく大人も寝るときには体温を下げる必要があります。

快眠適正温度
 人間が快適に眠りに就くには頭部と内臓のクールダウンが行われなければなりません。
 しかし、ただやみくもに冷やせばよいというものではありません。氷枕などを利用して頭部を極端 に冷やしすぎると、頭痛や極端な場合には凍傷の原因になる場合もあります。快眠には、睡眠時間を 通して「適正温度(枕が25℃〜32℃)」を持続し続けることが重要です。

 生体リズム(=睡眠・覚醒リズム)は体温に影響されています。生体リズムが正常な場合、体温は 目覚める少し前から高くなり、日中は高い状態を保ち、就寝時間が近づくにつれて徐々に低くなりま す。
 人は、深部体温(体の中の体温)が37℃くらい(脇の下では36℃くらい)に下がると、スムーズに 眠れます。夏の夜、なかなか寝付けないのは、高い湿度と気温のため布団に入り横になってもっても 体温が下がらないことが原因です。
 私たちは体から熱を発散し、汗をかいたりして温度を調節しています。室温や湿度が高いと、体温 が下がりにくく、なかなか寝付けないということになります。

 体温が高いままでは、眠りを誘うホルモン、メラトニンの分泌も抑えられてしまいます。夏の夜、 ぐっすり眠るには、寝室の温度と湿度を調節するだけでなく、体温を下げる工夫が大切です。


 話は変わりますが、冬体が冷えていると眠れないのは、「冷たい手足から熱が失われないように交 感神経が血流を抑制する方向に働き、深部体温が下がりにくくなるからと考えられます。



部屋の換気
 今多くの家が「24時間換気」と呼ばれる2時間に1回のペースで居室の空気が入れ替わる換気シ ステムを備えています。

 一般的に望ましい換気量は「2時間に1回、または一人当たり30m3と言われますが、一人当た り気積60m3以下の部屋で就寝するときには一人当たり換気量が不足気味になります。

 その結果四季を通じて部屋の二酸化炭素濃度がやや高めになりますが、酸素濃度が極端に下がると いった不都合は起きません。
 ただし、人間一人が60Wに相当する熱と1時間当たり30gの水蒸気を発生しています。

 その結果、室温変化は建物の熱容量によって大きな差がありますが、部屋の湿度は換気量が小さい と急激に上昇します。


 上の図は湿度70%の外気が2時間に1回のペースで取り入れられている6畳の部屋に一人、および 二人が眠っているときの湿度変化を示したものです。
 6畳ほどの部屋に二人が眠る場合は換気回数を増やさなければ急激に湿度が上昇することがわかり ます。また就寝後1〜2時間は室温が充分下がっていないので、湿度が少し上がっただけでも蒸し暑 さが格段に強く感じられます。


不快指数
 不快指数は
  (DI) = 0.81T + 0.01U(0.99T - 14.3) + 46.3
で表される数値で次のような感覚的評価があります。

不快指数
〜55
〜60
〜65
〜70
〜75
〜80
〜85
85〜
体感
寒い
肌寒い
快適
快適
快適
やや不快
不快
堪らない






夏の快眠法
 熱帯夜に負けずに夏の夜を気持ちよく眠るための7つの方法をご紹介。
 できるものから実行してみてください。エアコンを使う方はくれぐれも冷やしすぎに気をつけ、眠 る前に冷たい飲み物をたくさん飲む、裸で眠るなどは避けること。体を冷やし、体調を崩す原因にな ります。
1. 室温は25℃前後、湿度は60%くらいに保つ
 寝室に熱がこもらないよう窓に日よけを取り付け、できない場合は遮光カーテンなどをし ましょう。
 熱がこもってしまった場合は、外気温度が室温より下がったら部屋のドアを開け、対角に ある窓2ヵ所を15センチ程度(全開にするより空気の流れがよくなりやすい)あけ、換気扇 や扇風機を回すと、より早く熱を逃がすことができます。
 また、外壁を蔦や葦簾で覆うことも直射日光から建物を涼しく保つ効果があります。
2. ぬるめのお風呂にゆっくり入る
 夏はついシャワーと考えがちですが、入浴は気分をリラックスさせ、体温を下げるのに効 果的です。体は温まると、体温上昇を抑えようとするため、深部体温が低下しやすくなりま す。
 エアコンの効いたオフィスで働いている方は、夏でも冷えを起こしていることがあるの で、冷え性を解消するためにもぬるめの浴槽にゆっくり漬かり、水分補給を忘れ内でくださ い。
3. 軽い運動を心がけ、規則正しい生活を心がける
 エアコンの効いた部屋で1日過ごしている人、不規則な生活をしている人は、自律神経が 乱れ、体温調整も乱れています。
 夕方、軽い運動をして代謝を上げると、そのあと、体温が下がりやすくなります。お風呂 に入っても、日中に疲労した体温調整メカニズムを一度リセットすることができます。
 また、生体リズムを整えるために、規則正しい生活を心がけてください。
4. 寝苦しい夜初めの1〜2時間はエアコンを使って室温を調節する
 熱帯夜でムシムシしているときは、初めの1〜2時間エアコンで室温を下げると気持ちよ く眠れます。
 冷やしすぎや冷風が眠っている体に直接あたるのは健康によくありませんが、エアコンを つけたまま眠ると健康に悪いという科学的事実はないそうです。
 (熱負荷の小さい建物では冷やしすぎになるほど空調する必要はないでしょう)
5. 熱がこもりにくい寝具を使う
 熱がこもると、寝返りの回数が増えて眠りが浅くなったり、途中で目が覚めてしまったり します。
 極力、熱のこもりにくい夏用の寝具を使うようにしましょう。
 風通しの良い麻の夏布団、竹製の抱き枕、寝ござ、通気性や汗の吸収に配慮した変わり織 りのシーツなど古くから親しまれたもの、汗を吸って冷却効果を持つハイテクシーツなど 様々な快眠用品が売られています。
6. お腹を冷やさない (寝冷えに注意)
 足のほてりが気になる方は、ブランケットをお腹だけにかけ、頭寒足寒状態にして眠ると よいでしょう。冬に手足が冷える方は、夏は手足がほてりやすいので、保冷剤などで軽く足 を冷やすと眠りやすくなります。
7. 空気清浄機を置き、ダニなどの発生を防ぐ
 汗をかきやすく、高温多湿になる夏は、ダニなどが発生しやすいので、寝具は清潔に保ち ましょう。
 枕や布団(ベッドパット)はまめに干し、干した後は電気掃除機でダニの死骸を除去して から、涼しい部屋に移して熱をとりましょう。
 寝室の空気は、空気清浄機・除湿機などで清潔に保ち、乾燥させておくと快適に眠れま す。

 誤解のないように一言お話しておきます。
 ここに述べた安眠対策ばかりに頼るのがいいと考えているわけではありません。しかし断熱の良い 建物を建てたとしても、日本の夏の蒸し暑さは「もうこれで充分」と安心できるものではありませ ん。
 恒久的安眠対策としては換気装置に高性能な除湿装置を組み合わせ、比較的低温多湿な時期に冷房 を使わなくても除湿ができる換気・除湿システムの実現に期待したいと思っています。
 そのような装置がまだ入手できない現時点では、うえに紹介したいくつかの方法を組み合わせて快 適な安眠を模索するのが次善の策になるのではないでしょうか?



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