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床暖房は日本に独特な暖房方式です。スウェーデンやドイツなど日本に比べては
るかに寒い国々の住宅を見ても床暖房を使っているところを見つけることは先ずで
きないと思います。
これらの国々では足元の寒さを我慢して生活しているかと言うと、まったくそん
なことはありません。なぜ、床暖房を使わなくても室内が暖かく保たれているので
しょうか?
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「室内温度差が大きくなる理由」を読まれた方はもうお判りでしょう。いわゆる「外断熱工法」
で断熱された建物では床の温度が下がることがないのです。
数時間空調を切っただけで床の温度が下がってしまう保温性の悪い内断熱工法の床や熱容量の小
さい木造建築物の床だけが床暖房を必要とすることになります。
「快適」と言われる床暖房ですが、床の温度は30℃以上になるものが多いようです。これでは快
適と言うよりも床が熱いと感じるのではないでしょうか?
事実、床暖房は床を暖めるだけの補助的暖房手段で「床が暖まった後はエアコンなど一般の暖房
器具に切り替えたほうがいい」という解説を見ることもあります。これでは「直接空気を暖めない
ので風を起こさず、ほこりを巻き上げない」床暖房のメリットは暖房し始めの数時間しか生かすこ
とができません。
Q値4〜5の建物で室温を20℃前後に保つのに床面を30℃に保つ必要があるとすれば、Q値1.
5の外断熱工法の建物を暖房する輻射熱を放射するには床面温度を23〜24℃と低く抑えることがで
きますが、何もわざわざ床暖房をしなくても床の温度は20℃になるのですから、床面の温度を3℃
ほど高くするだけの目的で床暖房を使う必要があるのでしょうか?
20℃と言えば6月初旬か9月下旬の平均気温、23℃は7月上旬の平均気温です。
床面の温度を30℃以上に上げる床暖房では床から逃げる熱損失量を大きくします。
24時間連続して床暖房を使う場合の床の裏側の土の温度は16℃前後、床暖房を使わない場合や短
時間に限って床暖房する場合は10℃前後と想定すると、床からの熱損失量の比率は次のようになり
ます。
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床暖房使用区分 |
床表面温度 |
床裏の温度 |
温度差 |
熱損失量の比 |
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床暖房なし |
17.5℃
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10℃
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7.5℃
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1.00
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短時間のみ使用 |
30℃
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10℃
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20℃
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2.67
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長時間使用 |
30℃
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16℃
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14℃
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1.86
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床暖房を採用する場合には床部分の断熱性能を2〜3倍にしなければ床下の土を暖めるために大
きなエネルギーを逃がしてしまうことになります。
床暖房を採用した方の中には、共稼ぎで日中家にはいないのに毎月ガス代が2万円近く掛かると
嘆いている方もいます。
「床暖房を使ってはいけない」などというつもりはありませんが、木造でもRCでも床をきちん
と断熱してあれば、「床暖房がなければ寒くて暮らせない」などという状態になることはありませ
ん。
充分な断熱性能を持つ建物では、小さな熱で建物を充分に暖めることができるので大きな熱源装
置を持つ床暖房システムは温度の微調整がしにくく、必要以上に空調エネルギーを使い窓を開けて
室内を冷やさなければならなくなる恐れもあります。
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