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「外断熱工法の鉄筋コンクリート住宅は確かに快適だけれど、工事費が高くつ
く。」
こんな噂が広まったことがありました。
建設会社に行って「外断熱工法でコンクリートの家を建てたい」と言ったら、
「『あれはヨーロッパのように冬が寒いところで使うもの、日本みたいに温かい国
で外断熱にしたらものすごうお金係りまっせ。そんなことするお金があればヨーロ
ッパ製の豪華なシステムキッチン使ったほうがよっぽどエエで!』と言われ、外断
熱工法を諦めました。」
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外断熱工法に関わり始めた数年前、こんな話を良く聞かされました。
外断熱工法を希望する顧客を内断熱工法に変更するように誘導するセールストークは、外断熱工法を設計も施工もしたことがない設計者や施工者の常套手段でした。
実際のところは「外断熱工法では設計も施工もしたことがありません。どうしたらいいのか判らないので、当社では外断熱工法のコンクリート建築物は造れません。」と答えなければならないのですが、そんなことを言えば目の前の客に逃げられてしまいます。
折角来てくれた客を繋ぎ止め、仕事を受注するための殺し文句がはじめの台詞です。
当時、内断熱工法RC住宅や木造住宅ではペアガラス入りのサッシを使うことさえ珍しいことでしたから、工事費が嵩む外断熱工法に加えて、ペアガラス入りの樹脂サッシも使うとなると外断熱工法のRC建築物の建築費は内断熱工法に比べて15%程度高くなっていました。いくらか割高についたことも「嘘」とは言えません。
今、外断熱工法で住宅を造ろうと考える方なら内断熱工法に変更したとしてもそれなりの性能を持つサッシを使うことになるでしょうから、外断熱工法の建物が割高になると言ってもその差は縮まってきています。
割高か割安かの判断は何と比べるかによっても反対の結果が出ることがあります。
設計事務所、あるいは同じ施工会社で外断熱工法と内断熱工法の比較見積を取れば断熱工事費の差額分だけは外断熱工法の見積金額が高くなるでしょう。
しかし、あなたが建てたい間取図を持ってハウスメーカーの見積を取り、同じ間取り図でほかの建設会社か設計事務所に外断熱工法のRC建築物の見積を取ったとします。ハウスメーカーの少し上級の仕様なら外断熱工法の方が割安になる可能性は充分あります。
何人かの方に伺ったところ、「外断熱工法のRC住宅がハウスメーカーの鉄骨系プレハブ住宅の標準仕様の見積金額と大差ない額で建てられた」ということでした。
外断熱工法のRC建築物が割高か割安かの比較は建築工事費や売買代金だけを比較して結論を出すことではありません。前項の「経済的な家は環境にも優しい」でも触れたように建物の存続期間に渡る空調費や修繕費などすべての支払の合計がいくらになるかを比較して初めて本当の価値がわかります。
あなたが人生でもう一度家を建てることになって、「あの時外断熱工法の家を建てておくんだった!」と悔やまないために前のページの表をもう一度眺めてください。
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建設費 |
耐用年数 |
実質償却費(金利含) |
年間空調費 |
償却費+空調費 |
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外断熱工法 |
30,000.000円 |
80年
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990,084円/年
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30,800円/年
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1,020,884円/年
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内断熱工法 |
25,000.000円
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50年
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965,928円/年
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126,050円/年
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1,091,978円/年
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年間空調費はエアコンを使うものとして電力料金22円/KWH、COP4として算出。
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年間空調費に間歇運転による節約は考慮していません。
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この表では実質償却費を耐用年数を期間とする金利3%の均等返済額に置き換えました。
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この表では両方の合計が大差ないように見えますが、50年経過後内断熱工法の建物は残存価値がなくなりますが、外断熱工法の建物は建設時の価値の2/3の価値を残しています。
「内断熱工法の建物が廃墟になっても外断熱工法の建物は残り30年間使える建物を20,000,000円近い金額で売却可能な資産として残っている」と考えていただいて結構です。
外断熱工法の建物の建設費が「割高だ」と言われていたもうひとつの理由に、日本では高気密住宅での生活経験が少なく、木造住宅時代や内断熱工法時代に慣れ親しんできた習慣に囚われ、高断熱なRC外断熱建築物にふさわしい設計手法が確立していなかったことがあります。
建物内に温度差がほとんどないRC外断熱建築物ではリビングやダイニングなどの共有空間に空調区画を目的とした間仕切を必要とすることがありません。室内に大きな吹抜を設ける場合でも空調区画のための間仕切を必要としません。
天井や壁の内装も必要最小限に止めることができますし、むやみに造作をすると室内の空気と建物の熱交換を阻害する悪い影響が出ることもあります。
この性質を工事費のコストダウンに結びつけることが、外断熱工法のRC建築物の設計の要点になります。
機械換気された室内の空気は常に新鮮で、従来の建物のように窓を開け放して換気をする必要もないので、高価な引き違い窓の一部を嵌め殺し窓や「ドレーキップ」と呼ばれる「内倒し−内開き窓」に代えるなどの手法で建設費を下げることができそうです。
外断熱工法の建物は 100年またはそれ以上の長期に渡って存続し続けます。初めから欲しいものを組み込むより、まず基本性能として必要なものを揃え、家族の成長に合わせて装備を追加しながらより住み易い住まいに作り上げていける建物です。
ヨーロッパでは、「一代目が家を建て、二代目が家具を揃え、三代目が食器を揃える」ような家族のあり方があるといわれます。ヨーロッパの高級家具や食器を一揃え買おうとすると家一軒分と同じくらいの費用になるそうです。
これまでのように世代ごとに家を建て替えていては、どの世代も家を建て直すために働き、合板の家具と 100円ショップで買った食器で生活することになってしまいます。
私達も世代ごとに家を建て直す呪縛から開放され、より豊かな暮らしに向けた一歩を踏み出したいと思いませんか?
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