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分譲マンションの営業マンは「家を持つことが生活の安定に繋がる」というセールストークを連発
します。確かにローン返済額と家賃を比較すると家賃とローン返済額を比べると家賃のほうが高くな
るケースがあるでしょう。
しかし、管理費・修繕積立金・固定資産税などを加えると家賃を払い続けるほうが負担額が少ない
ことも多いと思います。
途中で売却の必要があっても売却価格がローン残額を上回れば居住期間の実質負担額は増加します
し、「ローンを払い終われば自分のものになる」筈の建物も耐用年数が迫っていれば「土地の区分所
有権−解体費」の残存価値しかないお荷物になっています。
分譲マンションの購入者の平均年齢が30代、内断熱マンションの耐用年数が40年程度、日本人の平
均寿命が約80歳であることを考えれば、内断熱分譲マンションを購入することは人生の終末期に大き
なリスクを抱えることになりかねません。
住宅のコストには取得時に掛かる建設費などのイニシアルコストと、使用中に掛かる空調費・維持
修繕費・減価償却費などランニングコストがあります。
外断熱工法の分譲マンションが「高い」のはこのうちのイニシアルコストを比較した場合です。高
い耐久性と省エネ性のためにランニングコストは内断熱工法のものよりも遥かに小さくなります。
分譲マンションを購入する場合、イニシアルコストだけでなく耐用年数とランニングコストを含め
たコストの比較と20年後、30年後に建物がどれだけの資産価値を残しているかについて大まかな展望
を持つ必要があります。
しかし、ディベロッパーから提示される情報は販売価格とローン返済額に関するものが中心で明確
な根拠を示し難いランニングコストや耐用年数、将来の転売価格に関する情報はほとんどありませ
ん。
この項ではいくつかの仮定に基づき分譲マンション購入の検討に役立つデータを示します。
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次の表はある外断熱分譲マンションと近隣で分譲されているうち断熱分譲マンションの物件概要を
元に販売価格、管理費、修繕積立金、修繕基金などを比較したものです。それぞれの専用床面積は異
なるので、床面積80m3の住戸あたりの額に換算しています。
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外断熱マンション
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内断熱マンション
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分譲価格
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35,920,000円
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33,680,000円
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ローン返済額
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(132,295円/月)
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(124,045円/月)
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管理費
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10,160円/月
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12,480円/月
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修繕積立金
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5,600円/月
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6,800円/月
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修繕基金
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308,200円
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475,800円
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空調コストは断熱仕様とQ値から25mmのウレタン内断熱と100mmのEPS外断熱の空調費(中部
屋・角部屋、最上階・中間階・最下階のものの平均)を計算して外断熱マンションでは31,700円/
年、内断熱マンションでは74,800円/年掛かるものとしました。
以上のコストの年次累計額を図にすると以下のようになります。
修繕費はディベロッパーの想定によるもので実際にこの額で収まるかどうかは判りませんが、主な
経過年数について累計額はおよそ次のようになります。
ローン+管理費+空調費の累計額
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外断熱マンション
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内断熱マンション
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10年後
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18,391千円
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1,839千円/年
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18,043千円
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1,804千円/年
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20年後
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36,475千円
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1,824千円/年
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35,567千円
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1,778千円/年
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30年後
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54,559千円
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1,819千円/年
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53,092千円
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1,770千円/年
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35年後
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63,601千円
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1,817千円/年
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61,854千円
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1,767千円/年
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47年後
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66,251千円
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1,410千円/年
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65,021千円
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1,383千円/年
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100年後
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77,954千円
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780千円/年
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内断熱マンション・外断熱マンションがそれぞれ何年耐用できるかかを予測するのがこの項の目的
ではありません。内断熱マンションはおよそローン完済時期から法定耐用年数の間に建替え時期を迎
えるものと考えられますし,外断熱マンションは少なくとも70年程度の寿命を持つでしょう。
マンションを買ったものの転勤・相続などが原因で換金の必要に迫られることがあります。
立地のいいマンションや管理の行き届いたマンションの中には驚くほどの価格で取引されるものが
あるかもしれませんが、中古マンションは土地の区分所有比率と建物の残存価値の合計額から将来建
物を解体する費用を差引いた額で取引されると考えてよいでしょう。
耐用年数の長い外断熱マンションは、耐用年数の短い内断熱マンションに比べて売却価格が高くな
ると考えられます。
下の図は高耐久な建物と充分な耐久性を持たない建物を所有したときに資産価値と負債がどのよう
に変化するかを示しています。
高耐久建築物では実資産額から負債額を引いた正味資産額がなかなか減りませんが、耐久性の低い
建築物は資産と負債が似たような減り方をするので水色の正味資産が大きくならないばかりでなく、
建替えのたびに大きな資金を必要とします。
売却せずに保有して長期に渡り安定的な賃貸収入を得ることもできます。


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外断熱工法の共同住宅は「熱共同体」の状態になっています。
建物全体が屋外の暑さ寒さから断熱されているために、ある住戸で暖房や冷房を掛けなくても、お
隣や上下の住戸が空調していれば同じような快適な温度で生活することが出来ます。
ある外断熱マンションで冬の暖房温度を18℃に設定した家では周りのお宅から熱が流れてくるので
実際暖房エネルギーをまったく使わないうちに春になってしまったという笑い話もあります。
この例は特殊だとしても、子供がいて一日中在宅する家庭と共稼ぎで夜しか家に帰らない家庭が同
じ建物に暮らしていると在宅時間が短い家庭はほとんど空調費を使わなくても周りから熱エネルギー
を貰えることになります。
従来の内断熱工法のマンションでも住戸の境の壁を熱が移動することはあったのですが、屋外に奪
われる熱の比率が大きな内断熱工法の建物では消費エネルギーの大半は屋外側に移動していました。
しかし、外断熱工法のRCマンションでは(特に断熱材の厚さが10cmを超えると)大きな割合の熱
エネルギーが空調していない住戸側に失われていくことになります。
戸別に空調システムが造られている外断熱マンションでは、空調の掛け方に差があると強く空調し
た家から弱く空調した家に空調エネルギーが流れて行きます。我慢比べのように少しだけ暑さ寒さを
我慢するとほとんど空調エネルギーを使わなくても周りと同じような快適さを享受できる不公平さが
あります。
したがって、RC外断熱工法の集合住宅では空調に要するエネルギー費を共益費のように配分して
負担するのが合理的です。
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もう2年ほど前になりますが、外断熱マンションの購入についてメールでご相談を受けました。
「販売されている外断熱マンションの購入を検討しているが、断熱材の厚さが35mmしかないのが気
になっている。」というご相談でした。
数日後にお会いして「外断熱マンションの性能を期待されるのなら、それほどの空調費削減効果も
快適性も期待できないから見合わせたほうが良い」とお話し、ご本人も納得してお帰りになりまし
た。
2年近く経ってから判ったことですが、実はこの外断熱マンションは例の「耐震偽装事件」の物件
のうちのひとつでした。
当時、耐震偽装を予想もしていませんでしたから、「あの物件をお勧めしていたら」と思うと冷や
汗が出ます。
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外断熱マンションと言ってもその仕様は様々です。
外断熱マンションの選択にあたって、充分な熱貫流抵抗を持つ断熱材が使われていること(最小限
2m2・K/W→熱貫流率0.5W/m2・K)、H−4等級以上の断熱サッシが使われていること、
パラペット・バルコニー周りに熱橋対策が行われていることを確認してください。
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