RC外断熱工法と室内の音響対策
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付録
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付2断熱材性能比較リスト
付3住まいと断熱の掲示板
付4M邸WEB見学会
付5RC外断熱工法と
室内の音響対策
 RC外断熱工法の建築物では躯体内側に断熱材を施工しないので、経済設計をしようとすれば「断熱材のぼろ隠し」としての内装を省略することが出来ます。またそうすることが一般的に行なわれています。

 外断熱工法の建物で躯体内側に内装することは室内空気と躯体との間の熱伝達を阻害し、躯体が室内の温熱環境を均一にする働きにとってマイナスに働くと考えている設計者も多いと思います。
 吸音のためといっても吸音率の高い内装材は熱伝導率も小さいので、反響音を抑えるために必要以上に吸音材を使うことは好ましいことではありません。

 外断熱化にともなって増加する建築工事費を圧縮するために内装工事費を出来る限り圧縮したいと考える設計者と建築主の意向が、内装は打ち放しあるいは薄モルタルで下地表面を均してクロス貼りというRC外断熱工法特有の内装仕上げが普及しています。

 外断熱化にともなって増加する建築工事費を圧縮するために内装工事費を出来る限り圧縮したいと考える設計者と建築主の意向が、「内装は打ち放し」あるいは「薄モルタルで下地表面を均してクロス貼り」というRC外断熱工法特有の内装仕上げが普及しています。

 ところで、打ち放しのコンクリート表面やクロスを張ったコンクリート表面は音のエネルギーを2〜6%しか吸収しない。つまり94〜98%の音エネルギーが反射されてしまうという音の響きやすい状態になっています。
 これに対して内断熱工法の建物で一般的に使われている石膏ボードにクロスを貼ったものの吸音率は周波数によって異なりますが、20〜70%とされています。

 吸音材には基本的に3種類のものがあります。

 ひとつはグラスファイバーや発泡材など断熱材として使われる空気を固定する材料、二番目は音によって振動する薄い板(幕)状の材料、三番目は開口とその内側に空気溜りを持つ共鳴箱や穴あきボードのような材料です。

素     材
厚さ
mm
空気層
mm
周波数h・吸音率
200h
500h
1Kh
2Kh
コンクリート
-
-
0.02
0.02
0.02
0.02
コンクリート布貼り
-
-
0.03
0.03
0.04
0.06
石張り・タイル張り
-
-
0.01
0.02
0.02
0.02

素     材
厚さ
mm
空気層
mm
周波数h・吸音率
200h
500h
1Kh
2Kh
低周波数に効果
合板
6
45
0.33
0.16
0.07
0.07
90
0.20
0.10
0.07
0.07
合板
9
90
0.15
0.08
0.07
0.07
板張り床(木下地)
-
-
0.12
0.10
0.08
0.08
高周波数に効果
石膏ボード
15
300
0.35
0.45
0.56
0.65
12
0
0.20
0.40
0.70
0.80
9
0
0.20
0.35
0.60
0.70
9〜12
45
0.13
0.08
0.06
0.06
パンチカーペット
3.5
-
0.04
0.08
0.12
0.22
人間と椅子(モケット貼り)
0.34
0.41
0.43
0.42
カーテン0.25〜0.3Kg/uひだ付き
200
0.25
0.60
0.70
0.75
グラスウール32K
25
-
0.32
0.65
0.82
0.80
グラスウール32〜48K
50
0
0.70
0.95
0.90
0.85
ロックウール40〜160K
25
-
0.35
0.75
0.85
0.85
50
100
0.90
0.95
0.90
0.85


 音は空気中を1秒間に約 340mの速度で進みます。
 そこで、壁と壁、床と天井など向き合った面の間隔が amあったとすると音は1秒間に340/a回反射します。壁と壁や床と天井の距離 aが小さいほど反射回数は大きくなり、その都度壁の吸音率に応じて音のエネルギーが減少するので、部屋が小さく・吸音率が大きいほど残響時間が短くなる傾向があります。

 仮にaが3.4mとすると反射回数は100回、吸音率をbとすると100回反射する間に音のエネルギーは、
(1-反射率)^100に減ることになります。

 1秒後のエネルギー減衰率を計算すると吸音率によって、次のような数値が求められます。

吸音率 1秒後の減衰率
0.02
1.326E-01
0.03
4.755E-02
0.04
1.687E-02
0.05
5.921E-03
0.10
2.656E-05
0.20
2.037E-10
0.30
3.234E-16
0.50
7.888E-31

 減衰率
=(1-吸音率)^100
 吸音率と減衰率の関係をグラフにすると次のようなグラフが得られます対数 (減衰率は目盛り)

 ここで、減衰率が小さいほど残響時間が短くなるわけですが、「残響時間は短いほどいい」というわけでもありません。

 音楽ホールでは楽器によって適当な残響時間があるといわれますが一般に1.5秒程度の残響時間に調整します。声楽用のホールでは残響時間が短いと歌手がエネルギーを必要として疲れると言われていて、吸音率を0.15〜0.3程度に調整するのが好ましいようです。

 住宅の吸音率に関してもほぼ同じよう吸音率が望ましいようですが、問題になっている音の周波数によってどのような吸音材をどれくらいの面積で使うか、あるいは家具などを置くことによって室内の(空気の)形状を変形させ、音が反響しにくい部屋にしていくことも期待されます。

 オーディオルームなどではあまり吸音性能を高めすぎると音の張りがなくなることもあるので、適切な残響時間になるように吸音率を調整するようにしましょう。


 室内音響対策はうえに示した吸音材などを使って室内の吸音率を調整しますが、個別の状況に対応する必要があります。
 音響対策をご希望の方は具体的な状況を見たうえでご提案を差し上げます。詳しいことは問い合せください。