断熱に配慮した 未来志向の家造り  断熱の良い家を造るメリットは何か?
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断熱の良い家を造るメリットは何か
熱の伝わり方 
熱は伝導・対流・輻射の三つの方法で温度の高いところから低いところに移動します。

伝 導
 熱が固体の中を高温側から低温側に伝わります。他に面積あたりの熱の伝達量は素材の熱伝導率に比例し、素材の厚さに反比例します。
 建築の熱負荷計算ではほとんどの熱が熱伝導によって伝わると仮定しています。
 この仮定は暖房負荷の計算では大きな違いを生じることはありませんが、太陽からの輻射熱が大きな割合を占める冷房負荷の計算では大きな誤差を生じます。

輻 射
 地球上の物体の温度を決める大きな要因は太陽からの輻射熱です。
 熱伝導で空調負荷を説明しようとすると実際の外気温度と空調された室温の温度差に応じて熱の移動量が決ると考えることになります。
 太陽が出ている時間帯、太陽高度の高いときは屋根面の、太陽高度の低いときは日の当たる壁面の温度が上昇して外気温度よりずっと高い温度になります。
 空気のない月面などでは輻射が熱移動の大半を占めています。日の当たる時間は100℃近い高温、日がかげるとマイナス100℃近い低温、砂漠の気候もこれに近いものですし、晴れた夜には放射冷却で物体から熱が奪われ、気温は0℃以上あっても駐車している車の屋根やガラスに霜が着くのも放射冷却が原因です。

対 流
 暖められた空気は軽くなり上昇し、冷やされた空気は重くなり下降する性質があります。
 密閉された部屋の中では閉鎖された対流が温度を均等にすることもありますが、密閉されていない壁の中で暖められた空気の移動が放置されると熱損失を大きくする原因になります。
 土壁が使われなくなった軸組構造の木造住宅では、壁の空洞内の空気の移動を止めることが熱損失を減らすポイントになります。


建物における熱の伝わり方

伝 導
 熱伝導は静止した固体などの中を熱が伝わることです。
 熱伝導は温度差と熱伝導率に応じて物体の中を熱エネルギーが移動する現象です。
 断熱材は熱伝導率の小さい空気をスポンジ状または綿状の物体中に固定して熱伝導を起きにくくしたものです。
 建物の構成要素ごとのK値や建物の断熱性能を現す熱損失率(Q値)は熱伝導による熱移動を元に計算されたものです。

輻 射
 輻射は真空中でも熱を電磁波や赤外線の形で移動させます。
 日射を受ける建物表面は太陽からの輻射熱で気温より温度上昇が大きくなります。夏の冷房負荷の多くは輻射熱によって建物表面温度が上昇する影響によるものです。

 晴れた夜には放射冷却によって気温よりも建物の表面温度が低くなります。気温が0℃を切っていないときに露天で駐車している車の表面に霜が降りるのは放射冷却があることを証明しています。

対 流
 室内での空気の対流は空調機から室内に排出された空調エネルギーを室内の隅々に運び、室温を均等にします。
 軸組工法や枠組工法の木造住宅などの空洞内で対流が起きると熱伝導で計算した以上に熱損失が大きくなることがあります。
 さらに、室内から屋外に繋がる空気の流れがある場合、空気の流れが熱と水蒸気を運ぶので大きな熱損失を起こすだけでなく、壁の中で激しい結露が起きる原因になります。


 建物に使われる断熱材は、伝導により熱が屋外から室内に侵入したり、室内から屋外に失われるのを防ぎ、建物内の環境をを小さなエネルギーで快適に保てるようにしています。
 屋根や外壁に直射日光があたると建物の表面温度が上昇します。夏に屋根や壁の表面温度
が高くなると気温がそれほど高くなくても熱伝導で室内に伝わる熱量が大きくなり冷房負荷
が増加します。
 建物内部への輻射熱の影響を減らすには、外壁財の裏側(室内側)に低放射率のアルミ箔
を張り、その内側に中空層を設けることが有効です。
 軸組工法の間仕切壁に気流止めがないと、壁の空洞で結ばれた床下から天井裏の間を冷たい空気が温められながら上昇して、暖房の効きを極端に悪くします。
 夏の建物への熱負荷を減らすには輻射熱の抑制と並んで、断熱材の外側の通気が有効です。

 これらの措置の中心が断熱技術です。きちんと断熱した家とそうでない家を同じように空調しようとすれば、必要とする空調エネルギーは3倍以上に開きます。
 太陽熱や地熱など自然エネルギーを活用する時代になると、省エネルギーに配慮した家が大半のエネルギーを自然エネルギーに依存できるようになるとしても、省エネルギーに配慮していない家では「焼け石に水」程度の降下しか得ることができません。

 原油資源枯渇は数十年先に確実に起こります。エネルギー価格は上昇が続くでしょう。
 そうでなくても地球温暖化防止のために化石燃料の消費削減は避けることができません。

 きちんと断熱した家を建てることは、将来更に省エネを進める第一歩です。 
 
 
 

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