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 あなたの家の住み心地を決める要因
 建物の住み心地は断熱性能、遮熱性能、熱容量、湿度調整性能などによって決ります。


断熱性能
 断熱性能は屋外の暑さ、寒さの影響を受ける程度を現す指標で、一般に熱損失率(Q値)や熱貫流率(K値)が使われます。

 これらの数値は基本的に輻射熱を考慮していませんが、熱の伝えやすさを比較するうえで共通の物差としての意味があります。

 EUでは各地域の気候条件を考慮して、通常の使用条件での吸湿状態を考慮した実効熱伝導率を用いて熱貫流率を計算する規定があるそうですが、日本ではJISで定められた性能値をそのまま熱伝導率として採用しています。

 断熱性能は空調に必要なエネルギーの大きさを示します。同じように空調するにはQ値に比例してエネルギーを必要とすると考えるので、Q値が小さいほど経済的に空調できます。
 断熱性能が高くなるほど(Q値が小さくなるほど)、空調負荷が小さくなり必要な空調機の大きさが小さくなって、室内の温度差が小さくなります。

 断熱性能の低い家では、暖房機機がフルに動いていても天井付近が暖かくなるだけで床付近は冷たいままといったことがよくあります。空調を切ると短時間で室温が空調前の状態に戻ります。
 日本の住まいで床暖房が好まれるのは断熱性能の低さの現れです。

 断熱性能の高い家では暖房機から僅かな熱が供給されるだけで、床と天井にほとんど温度差が出来ません。空調をしていない部屋でも空調している部屋と大きな温度差が生じません。
 さらに空調を切ってもなかなか室温が空調前の状態には戻りません。

 室温の安定さは断熱性能のほかに熱容量にも影響されます。

 充分な断熱性能がない家は「外気の温度変化の影響を受けやすく、空調費の嵩む家」です。
 いくら空調しても空調機から排出された熱は室内にとどまらず、屋外に流れ出します。

 適切な断熱性能を持たせないと床下や外気の温度を暖めたり冷やしたりするために大きなエネルギーを使うことになります。


遮熱性能
 遮熱性能を表す共通の指標は特にありません。

 建物の屋根や壁が輻射熱を受けて高温になっても、その素材が室内側に輻射熱を伝えないようにする方法にはいくつかのものがあります。

 高温になる屋根・壁の内側に放射率の低い素材を用い、その内側に空気層を入れる。
 日射を受ける表面に熱線を吸収しにくい塗装をする。
 高温になる屋根・壁壁の内側の空気が暖められないように充分な通気を取り、輻射を受ける素材を空冷する。

 断熱性能が高くなるほど(Q値が小さくなるほど)、空調負荷が小さくなり必要な空調機の大きさが小さくなって、室内の温度差が小さくなります。

 断熱性能の低い家では、暖房機機がフルに動いていても天井付近が暖かくなるだけで床付近は冷たいままといったことがよくあります。空調を切ると短時間で室温が空調前の状態に戻ります。
 日本の住まいで床暖房が好まれるのは断熱性能の低さの現れです。

 断熱性能の高い家では暖房機から僅かな熱が供給されるだけで、床と天井にほとんど温度差が出来ません。空調をしていない部屋でも空調している部屋と大きな温度差が生じません。
 さらに空調を切ってもなかなか室温が空調前の状態には戻りません。

 室温の安定さは断熱性能のほかに熱容量にも影響されます。

 最近、アルミ箔やアルミ粉末を含む塗料により遮熱するという「遮熱建材」が出回っています。「断熱材よりも遮熱材を使った方が断熱性能が高い」などのセールストークもよく見かけます。しかし、遮熱材の原理は素材の温度が上がっても放射率が低く、室内側に大きな輻射熱を放射しないことで、熱伝導率が小さいわけではありません。
 夏の冷房負荷の削減には役に立っても、冬の暖房負荷の削減にはほとんど効果がない恐れがありますから、断熱材を遮熱材に置き換えることはやめた方が賢明です。

 遮熱性能を高めるには建物表面に遮熱塗料を塗ったり、外装材の裏側にアルミ箔を張ったりすることが有効です。
 日射を受ける屋根や外壁の温度は夏に50〜70℃にもなるので、遮熱対策をしていない日射を受ける面からの熱取得は(輻射を受ける面の温度−空調温度)/(外気温度−空調温度)の倍率だけ大きな冷房負荷を与えます

 木造の建物では小屋裏にたまる熱気を排気することで、遮熱と同じように屋根が受ける輻射熱を緩和することができます。


熱容量
 熱容量は建物の暖まりやすさ、冷めやすさを表す指標です。

 「暖まりやすさ、冷めやすさ」といってもピンと来ない方も多いでしょう。
 やかんに入っている2リットルの水と、風呂桶に入っている200リットルの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーには100倍の差があります。

 やかんの水を0℃から100℃にするのと同じエネルギーを加えても、風呂桶の水の温度はたった1℃しか上昇しません。同じように100℃のやかんのお湯の温度を0℃に下げられる量の氷を加えても風呂桶のお湯の温度は1度しか下がりません。

 やかんや風呂桶と同じように建物も構造体の種類や断熱の仕方によって温度を1℃上げるのに必要なエネルギーの大きさが違います。

 床面積を120m2とすると木造外張断熱工法の住宅では、およそ4.3m3の水に相当する熱容量を持ち、充填断熱工法の木造住宅では3m3の水に相当する熱容量を持ちます。
 また、RC外断熱工法の建物は35m3の水に相当する熱容量を持ち、RC内断熱工法の建物は8.5m3の水に相当する熱容量を持ちます

 つまり、建物に同じ熱が加えられたり、同じ熱が失われたりして木造充填断熱工法の建物の室温が1℃変化するときに、木造外張断熱工法の建物の室温は約0.7℃、RC内断熱工法の建物は0.35℃、RC外断熱工法の建物の室温は0.1℃しか変化しないことになります。

 上の温度変化は同じ熱が加えられたり失われたりしたときのものです。木造外張断熱工法、木造充填断熱工法、RC内断熱工法、RC外断熱工法の建物の断熱性能は一般に異なっているのが普通です。
 それぞれのQ値を木造充填断熱工法2.7〜4.0、木造外張断熱工法2.7、RC内断熱工法4.0、RC外断熱工法1.5〜2.7とすると、Q値を考慮した室温変化は、木造充填断熱工法の建物の室温変化が6〜10℃、木造外張断熱工法の建物の室温変化は7℃、RC内断熱工法の建物の室温変化は5℃、RC外断熱工法の建物の室温変化は0.6〜1℃となります。
 建物の熱容量は構造を決めた時点で同時に決まります。
 「木造の建物で特別大きな熱容量を持たせたい」、「RCの建物の熱容量を木造並みに減らしたい」などと考えてもほとんど有効な対策は考えられません。

 熱容量の大きい建物では間歇空調がしにくいうえに、間歇空調しても連続空調の場合とと比べてほとんど消費エネルギーが減りません。
 したがって熱容量が大きい建物ほど充分な断熱性能を持たせる必要があります。


気密性能
 気密性能は建物の内外に圧力差があるときに外壁などの隙間から漏れる空気の量を示す指標です。

 風や温度差によって建物の隙間から自然換気されると換気が制御されず、無駄に熱が失われるという側面もありますが、壁の中を大量の室内空気が外に向かって移動すると室内の水蒸気が壁の内部で結露を起こすことが気密性能を重視すべき最大の理由です。

 気密性能はC値で表し、建物内外に9.8パスカルの気圧差があるときに換気扇など内外を直結する換気ダクト等以外から漏れる空気量をQ、床面積をSとするとC値は
  C=0.7×Q/S
で表されます。
 つまり天井高 2.4m、C値0.84の建物では 9.8パスカルの気圧差のときに 0.5回/hの自然換気が行なわれます。

 C値は1地域で 2.0以下、それ以外の地域で 5.0以下が推奨されています。一部にC値をどれだけ小さく出来るか争う風潮もありますが、建物の経年変化により性能値の維持が難しいこともあるので、あまり拘らなくていいと思います。9.8パスカルの気圧差は風速5mに建物に掛かる風圧に近いと言われています。風が強いときにはより大きな自然換気が起こります。

 2時間に一回の換気は天井高が2.4mのときQ値に換算して0.4W/m2・Kの熱損失性能に相当します。
 C値の大きい建物では強風や室内外の気温に温度差があるとき大きな自然換気が起きるので熱損失が大きくなります。
 気密性能の不十分な家は隙間風の多い家です。隙間風は正常な換気以上の外気を室内に持ち込み、著しく大きな空調負荷をもたらすことも珍しくありません。


湿度調整性能
 紙、布、木材、コンクリート、漆喰、土壁、レンガ、・・・。多くの素材が周囲の湿度
が上がれば多くの水蒸気を含み、湿度が下がれば水蒸気を吐き出す調湿機能を持っていま
す。
 室内の空気とこれらの素材が水蒸気を受け渡しをしやすいように作った家は、外気に含
まれる水蒸気量が大きく変化しても室内は比較的安定した湿度を維持することが出来ま
す。

 気密防湿シートにポリシートを使った充填断熱工法の木造住宅では外壁周りに使われる
木材を気密防湿層の外側に出してしまうために木材の調湿能力を充分に生かすことが出来
ません。

 木材もコンクリートも周辺の湿度が高くなると素材重量の20〜25%の水蒸気を内部に持
つことが出来ます。その水蒸気調節可能量は、1軒の木造住宅で 7.5t、コンクリート住
宅で40tになりますが、気密・防湿シートやビニルクロスを使うと調整能力が生かされま
せん。

 調湿性能が大きい建物では加湿や除湿の必要慮が少なくなりますし、調湿性能が小さい
建物では加湿や除湿を機械に依存することになります。
 調湿性能はまだ新しい考え方です。セルロースファイバーなど防湿シートを必要としない断熱材を使う断熱工法、ログハウスや大量の木材を使う外張り断熱工法、あまり多くの内装材を使わないRC外断熱工法などが大きな調湿性能を持つ建物です。

 
 
 

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