3-6-6/8 断熱仕様とQ値 (6/8)
断熱仕様とQ値・空調コストの目安
空調コスト  ・ RC戸建住宅 ・ RC集合住宅 ・ 木造戸建住宅
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        ・ エネルギー換算表

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木造戸建住宅
 このページでは木造戸建住宅の断熱仕様によりどの程度の熱損失係数(Q値)があり、年間の熱損失量と空調費がどの程度になるかを概算的に知っていただくことを目的としています。
 モデルとして、2階建床面積120m、開口部面積20mのものを想定していますので、建物の内容によっていくらか数値が変動します。

 年間空調費はエアコン(年間平均効率=3)を使用するものとして計算しています。

 なお、建物が日射によって暖められることや家電製品等による内部発熱は考慮していません。
 日射による熱取得は断熱厚さが薄いほど大きくなります。

 木造の建物の熱損失計算をしてみて、RCに比較して思ったよりも良い数字が出ました。石膏ボードや構造用合板、サイディングの熱伝導抵抗がコンクリートに比べて大きいことがその理由のようです。しかし、気密性能の劣る建物では想定した以上の自然換気が行われるためもっと大きな熱損失になること、小屋裏に熱気が溜まる建物では膨大な冷房エネルギーを必要とすることがあります。


熱損失量準備計算の結果
 断熱材の厚さと各部分からの熱損失量
無断熱 充填断熱 外張断熱
断熱法の種類 基礎 GW10kg 32kg CF ネオマフォー
押出しPS  
断熱材厚さ
0
0
50
同実質
100
100
25
30
25
30
屋根      Q
4.12
4.12
0.51
0.82
0.19
0.21
0.42
0.36
0.64
0.55
外壁      Q
8.48
8.48
1.10
1.77
0.40
0.46
0.91
0.77
1.35
1.18
土間・基礎/床 Q
3.95
4.79
0.37
0.61
0.13
0.15
0.87
0.87
0.87
0.87
 充填断熱の建物は天井・床断熱、外張断熱の建物は屋根・基礎断熱で熱損失を計算しています。
 基礎荷重の掛かる部分を断熱しないため、基礎断熱では基礎からの熱損失が大きくなっていま
す。
 熱容量を生かすには基礎断熱が望ましいのですが、この熱損失量の差を見るとどうするか考えて
しまいます。基礎の内側から断熱すれば基礎部分のQ値は半分ほどに下がりますが、熱容量を生か
すことはできません。


 外部建具からの熱損失量
普通
サッシ
H−i
H−2
H−3
H−4
H−5
樹脂
サッシ
熱貫流率 W/uK
6.8
4.65
4.07
3.48
2.91
2.33
1.16
熱貫流抵抗
0.15
0.22
0.25
0.29
0.34
0.43
0.86
熱損失 Qw2 
1.13
0.78
0.68
0.58
0.49
0.39
0.19

 換気による熱損失量 Qv
 顕熱のみを対象、1回/2時間換気で建物の種別に関係なく0.40W/uK

断熱事例別の熱損失検討
 無断熱
計算値
断熱材など 厚さ Q値
屋根
4.12
外壁
6.48
土間・基礎
3.95
サッシ 普通サッシ
1.13
換気 1回/2時間
0.40
合計
16.08
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
90,000KWH
年間空調費
661,000円/年

 HDDはこのホームページの 断熱と「省エネ・耐久」 より暖房20℃の数値を採用しました。CDDは前ページ「空調コスト」で熱容量の大きい建物と小さい建物について個別に算定したもののうち冷房温度26℃に対応するものを使っています。


 充填断熱 (GW10kg 50mm)
計算値
断熱材など 厚さ Q値
天井 GW10kg
50
0.51
外壁 GW10kg
50
1.10
GW10kg
50
0.37
サッシ 普通サッシ
1.13
換気 1回/2時間
0.40
合計
3.51
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
19600KWH
年間空調費
144,200円/年
実質値 (施工精度を考慮)
断熱材など 厚さ Q値
屋根 GW10kg
50
0.82
外壁 GW10kg
50
1.77
GW10kg
50
0.61
サッシ 普通サッシ
1.13
換気 1回/2時間
0.40
合計
4.73
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
26500KWH
年間空調費
194,300円/年
 内断熱の建物では、無断熱の建物の1/3のエネルギーで空調できます。でも、年間20万円(最も寒い1月の暖房費で33,400円/月)もの電気代払いたくないですね。
 だから空調は節約するものになり、足元が寒いのは我慢して風呂場はいつも寒い。
 ヒートショックがいつ起きても不思議ではありません。

 充填断熱 (完全充填を前提に)
高性能グラスウール
断熱材など 厚さ Q値
屋根 高性能GW
32kg品
100
0.19
外壁
100
0.40
100
0.13
サッシ 樹脂サッシ
0.19
換気 1回/2時間
0.40
合計
1.31
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
7340KWH
年間空調費
53,800円/年
セルロースファイバー
断熱材など 厚さ Q値
屋根 セルロース
ファイバー
45kg
100
0.21
外壁
100
0.46
100
0.15
サッシ 樹脂サッシ
0.19
換気 1回/2時間
0.40
合計
1.41
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
7900KWH
年間空調費
57,900円/年
 グラスウールの施工には精度の良い防湿層が欠かせません。セルロースファイバーは室内の静粛性や結露防止性能など断熱性能以外に優れた面があります。


 外張断熱 (押出し法ポリスチレン)
計算値
断熱材など 厚さ Q値
屋根 PS
30
0.55
外壁 PS
30
1.18
土間・基礎 EPS
50
0.87
サッシ H−3
0.58
換気 1回/2時間
0.40
合計
3.56
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
KWH
年間空調費
円/年
実質値
断熱材など 厚さ Q値
屋根 PS
30
0.55
外壁 PS
30
1.18
土間・基礎 EPS
50
0.43
サッシ H−3
0.58
換気 1回/2時間
0.40
合計
3.15
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
17650KWH
年間空調費
129,400円/年


 外張断熱 (ネオマフォーム)
計算値
断熱材など 厚さ Q値
屋根 ネオマフォ
ーム
30
0.36
外壁
30
0.77
土間・基礎 EPS
50
0.87
サッシ H−5
0.39
換気 1回/2時間
0.40
合計
2.79
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
KWH
年間空調費
円/年
実質値
断熱材など 厚さ Q値
屋根 ネオマフォ
ーム
30
0.36
外壁
30
0.77
土間・基礎 EPS
50
0.43
サッシ H−5
0.39
換気 1回/2時間
0.40
合計
2.35
東京HDD
1800
東京CDD26
145
年間熱損失
13200KWH
年間空調費
96,500円/年

※ 外張断熱では基礎断熱として、実質値は地盤温度が外気温度よりも室温に近いことを考慮しました。

 この他にも、外張り断熱と床断熱を組み合わせるなど、様々なパターンが考えられます。

 基礎断熱では、熱がコンクリートから地盤に逃げやすくまだ工夫が必要です。

 ひとつの解決策は基礎断熱を止めて充分な床断熱に切り替えることです。充分な充填断熱をすれば、床からの熱損失は基礎断熱の1/3近くまで減少し、熱損失が10%も減ります。

 基礎コンクリートの熱容量を生かすには、従来よりコンクリートの厚さを大きくする。基礎根入れを深くするなどの対策とともに、基礎外周部のスカート断熱などの対策も考える必要があります。



 熱交換換気をする場合、換気によるQ値が0.24減って0.16となります。
 その場合、上の計算結果から年間の熱損失は1,321KWH/年、空調電力料金は9,699円/年少なくなります。


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