既存建物の断熱改修 |
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あなた自身が工事を行うにしても、業者を雇うにしても、あなたの工事に正しい材料が何かを知ることが重要です。正しい材料を選び取り付ければ、完成した工事はあなたの期待に確実に応えるでしょう。
この章では、熱を閉じ込めるときに使われる3つのタイプの材料、断熱材、気密層用材料と防湿層用材料について説明します。
あなたのプロジェクトに関わるこのマニュアルの章を調べ、最適な材料を選ぶためにこの情報を使用してください。
材料と工法の選定について
この項に書かれていることは、断熱材、気密・防湿層用材料を選択するうえで知っておきたい内容です。断熱材は使われる断熱材の熱抵抗で断熱能力が決まります。
建物封筒と呼ばれる「蟹の甲羅」のようなシェルターを構成する屋根(又は天井)・壁・最下階床(または基礎スラブ)に @ どれだけの熱抵抗を持たせるのが良いか? という問題とともに、A 断熱材を隙間なく充填する B 断熱材の室内側(あるいは室内側1/3の範囲)に気密・防湿層を配置する ことがなければ断熱材の機能が発揮されないか、あるいは発揮されたとしても有害な副作用をもたらすことになります。
日本ではとかく高性能な断熱材の熱伝導率だけに目を奪われている傾向があります。熱伝導率0.020W/℃・Kの硬質ボード断熱材の20mmと、熱伝導率0.050W/℃・Kのグラスウールの50mmとは同じ断熱性能のものです。在来工法の家では100mmの壁の空洞に熱伝導率0.040W/℃・K程度の吹込み用断熱材をしっかり充填すれば、前の二つに比べて2.5倍の熱抵抗を持たせることができます。
はじめにこのレベルの断熱を行っておけば、将来特別な断熱改修が必要になることはなかろうと思いますが、現在主流の50mmのロール断熱材充填工法、あるいは25mm前後の外張断熱工法の建物をさらに高断熱に改修する試みは様々な困難に遭遇することになります。
50mmのロール断熱材充填工法は、壁の内部に未充填な空洞を残し壁の中で対流を起こしやすい欠陥工法です。壁の中に断熱材がなければ吹き込み断熱材で完全充填することができますが、ロール断熱材が障害物となるので壁をはがし既存の断熱材を撤去しなければ断熱改修ができません。
外張断熱工法で使う硬質断熱板は気密・防湿層としての機能を持ちます。将来、壁の空洞に断熱材を追加しようとした場合、ここに既存断熱材の1/2以上の熱抵抗を持つ断熱材を充填すると外張断熱材の裏側で結露しやすくなります。
新築する場合もこれらのことを踏まえて計画を立ててください
断熱材の必要条件
断熱材の主な機能は熱の伝導を抑制することです。効果を生じるには、断熱材は次ような性質を持たなけれ ばなりません。
- 熱の移動に抵抗し、
- 空洞部分を完全に均等に満たすことができ、
- 耐久性があり、そして
- 使われる位置によって、熱または湿気に耐えられる。
断熱に使える空間、仕事のし易さ、さらにほかの条件を考慮して、いくつかの異なる断熱材を家の異なる位置に使用しても構いません。
あなたのプロジェクトに関わるこのマニュアルの章を調べ、最適な材料を選ぶためにこの情報を使用してください。
断熱材の適切な選択
断熱材の適切な選択はその使い方に影響します。大部分の場合、熱の流れの抑制が考慮しなければならない ただ一つだけのものではありません。特定の状況で、断熱材は、さらに次の特性のいくつかのものを持つ必要 があるかもしれません
- 高温に対する抵抗;
- 湿気流に対する抵抗(水蒸気の移動を押さえることができるか。)
- 空気の移動に対する抵抗(それは、気密層の役割をすることができるか。);そして
- 必要があれば、耐火性を持つ覆い
一旦特定の場所に材料を選定したら、次の設置要因を考えてください
- それを取り付けることは比較的容易ですか。
- それは利用可能な空間にとって最良の選択ですか?
(多くの空間があれば費用あたりの断熱性能、あるいはスペースが制限される場合 厚さ当たりの断熱性能)
- それはあなたの地方で利用可能ですか?
- スペースを完全に満たす断熱材を容易に設置できますか?
- 不規則な表面に馴染みますか?
- 仕上材を支持し、表面に対する圧力に抵抗する強度がありますか?。
- ある断熱材は別のものより多くの副資材(防火材、取付材、気密層と防湿層)を必要としますか?
要するに、断熱材の選択はどのように使用されるかによって大きく変わります。壁、基礎および屋根裏の断熱についての章は、それぞれの目的で一般に使用される断熱材のタイプについて解説します。幸運にも、特別の断熱工事は、速やかにいくつかの工法を選択から外して、選択をはるかに容易にするでしょう。
当然、コストは材料を選ぶ要因になります。一般に、熱伝導抵抗あたりのコストは、ボードまたは泡タイプの断熱材より充填用あるいは中綿タイプの材料がより安くなります。しかしながら、基礎的な資料の価格は1つの要素です。ある場合には、材料費の高いものが、より低い設置コストあるいは実務的な断熱技術に対する施工業者の好みによって選択されるかもしれません。設置コストによってよりよい比較をすることができます。これは、必要な付属品、施工のコストと断熱材のコストを含んでいます。
断熱材は溶かされ繊維状にさせたガラス、膨らした火山岩、再利用された新聞用紙、泡立てたプラスチックなどを含む広範囲の材料が製造されています。
しかし、分類すれば供給されている断熱材には:中綿か毛布状のもの、充填用断熱材、板状のボードお よびスプレー発泡断熱材の4つの基礎的なものしかありません。
下記はこれらすべての分類の詳細な記述です
断熱材のタイプの要約
中綿あるいは毛布断熱材
開放された壁の空洞、ある種の小屋裏のような人が近づけるスペースに中綿ある いは毛布断熱材を取り付けることは比較的容易です。それは少しの表面の不陸に馴染み、適合させるために切断することができます。作業中、安全設備および保護服の着用が必要です。
- 鉱物繊維
- 熱抵抗0.022/mm グラスウール 16K
0.023/mm ロックウール 40K以上
- 中綿あるいは連続的なロール(毛布)が利用可能です。
いくつかの製品は不燃性です(メーカーにチェックしてください)。
注:もし特別な説明がなければ、リストされた断熱材はすべて気密層と防湿層を要求します。
充填用断熱材
充填用断熱材は、粒やけばだちのある素材など様々なもので作られています。バラの充填用断熱材は 不規則で作業し難い空間を満たすことに優れています。根太間のスペースが不規則なところ、障害の輻輳する壁と床にふさわしく、小屋裏と屋根のような囲まれたスペースで優れています。多くの場合、手軽に小さなスペースを満たし、天井野縁をカバーすることができます。低い部分には適しません。
充填用断熱材は吹き込まれるか注ぎ込まれます。断熱材を注ぐときは、一般に指定された熱抵抗値を 達成するには吹き込み断熱より多くの材料を必要とするでしょう。屋根裏およびアクセス可能な囲まれた壁穴の既存の断熱材を補給するのに、また破れたところや不均等に断熱されている空間を満たすのに役立ちます。
充填用断熱材を適切に施工するには通常よく訓練され、熟練した専門家を必要とします。十分な熱抵抗値を達成するため、メーカーの指示に従って施工しなければなりません。
作業中、安全設備および保護服の着用が必要です。設置の最も重要な方法はメーカーの指示に従います。
セルローズ・ファイバー
- 寸断された新聞用紙で作られ化学薬品で処理されて耐火性を持ち、菌の成長と腐食を防止します。
- 粒子サイズが小さいので、空洞の中の釘や電線のような障害物のまわりまで充満することができます。
- もし適切な密度に施工されれば空気漏れを減らすかもしれません。
吹込み
- 熱抵抗平均0.025/mm、紙と化学薬品の混合物と吹き込まれた密度に依存します。
- 囲まれた空洞への適切な吹込み密度は55kg/m3以上です。
注ぎ込み
- 熱抵抗0.024/mm。
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
グラス・ファイバー
- グラスファイバー中綿と同様の材料、しかし吹込み・注ぎ込みに使うために刻みました。
- 手で注がれたグラス・ファイバーは、小屋裏のような開放された水平の面で最も良く働きます。吹き込みグラス・ファイバーは水平と垂直のどちらにも使用することができますが、組み立てて、釘や電気配線などによって部分的に閉鎖される壁穴に設置することが困難かもしれません。
- 不燃性のものとして分類されたものもある。メーカーの仕様書をチェックしてください。
吹込み
- 平均熱抵抗0.020/mm 密度に依存する
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
注ぎ込み
- 熱抵抗0.021/mm
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
ミネラルウール(スラグと岩綿)
- ほこりを抑え、形を維持するように油とバインダーで処理され、吹込み用には潤滑剤が加えられま す。外観と生地はグラス・ファイバーに似ています。
- アクセス可能な屋根裏および木造の屋根、壁および床のようなアクセスしにくいエリアに適します。
- 燃焼しないので、煙突のまわりを断熱するのに適しています。
吹込み
- 平均熱抵抗値0.021/mm、吹き込まれた密度に依存する。
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
注ぎ込み
- 熱抵抗値0.022/mmの熱抵抗値
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
蛭石(バーミキュライト)
- 古い家の中で一般に使用される膨張雲母、最近余り使われない。
- 2のタイプ-処理したものと未処理のもの。処理していない蛭石は湿気を吸収します。処理された蛭石 は、アスファルトで覆われ、高い湿気のエリアで使用されます。
- 処理していない蛭石は、熱抵抗値0.016/mmの平均熱抵抗値を持っています;処理された蛭石は、熱抵抗値0.017/mmの平均熱抵抗値を持っています。
- 通常手で施工されます。
- 水平面垂直面の利用に共に適する。
- 垂直の適用については、それが壁の隙間に注がれ、穴が満たされたことを確かめて、かつ将来沈下を 防ぐために重い重量を掛けてしっかり充填します。
- 適切に施工するためメーカーの指示に従ってください。
断熱ボード
ボード断熱材はグラス・ファイバーから製造されるか、あるいはプラスチック原料を発泡させます。熱抵抗値とコストはバラの充填用あるいはマット状断熱材よりも高いですが、これらの材料は単位厚さあたり高い断熱性能を発揮します。
断熱ボードは軽量で、切断・取扱が容易です。しかしながら、不規則な空間にそれらを入れることは難しいかもしれません。いくつかのボードは、耐火 材、防湿層、装飾の覆いが付属して利用可能です。さらに、独自のアタッチメント システムが付属するデザインボードを購入することもできます。定尺のボードは、追加コストを支払って特定のサイズにプレカット注文することができます。
グラス・ファイバー・ボード
特に外部下部に使うために設計されたものと、および外部上部の被覆用のもの2つのタイプの高密度および半厳密なグラス・ファイバー・ボードが、住宅用に一般に使用されます。
- 上部用のタイプは、水忌避剤息抜きタイプ防水紙でカバーしてあります。
- 下部用のタイプは、0.029RSI/mmの熱抵抗値があります。
- 外部の被覆は、0.031RSI/mmの熱抵抗値を持っています。
ビーズ法ポリスチレン
- 粗いビーズを接合して固形のフォームプラスチック・ボードに加工されました。それはしばしば、ビ ーズボードと呼ばれます。"
- 次の2つの密度で製造されます:
0.026のRSI/mmの熱抵抗値の低密度;と
0.028のRSI/mmの熱抵抗値の高密度。
- 高密度ボードは、低密度ボードより湿気に強く、乾燥した砂質土の中で基礎壁の外部に使用することができます。
- 日光、溶剤およびいくつかのシーラントへに長時間接触しないようにしなければなりません。互換性をもつシーラントだけを使用してください。販売店に情報を求めてください。
- 耐火材料で被覆する必要があります。
押出し法ポリスチレン
- 空気と冷媒ガス(フルオロカーボン)の混合物を含む独立気泡を持つ発泡プラスティック・ボード。
- 次の2つの密度で製造されます。
0.033から0.035/mmまでの熱抵抗値を持つ低密度と
- 0.035/mmの熱抵抗値の高密度。
- 日光と溶剤への接触から保護されなければなりません。
- 継ぎ目が適切にシールされる場合、気密層として働き、ある厚さがあれば防湿層として働くことができ ます。
- 内部の表面に使われるときは、建物構造に機械的に固定された耐火性の素材で覆われていなければなり ません。
ポリウレタン&ポリイソシアヌレートボード
- 空気の代わりに冷媒ガス(フルオロカーボン)を含む独立気泡で作られたプラスチックボード
- 通常片面にアルミ箔を張られるか、内装または外装材と張り合わされている。
- 表面を整えたボードは、0.040から0.050/mmの典型的な熱抵抗値を持っており、様々なサイズがあ ります。
- 日光と水への接触から保護されなければなりません。
- 耐火性材料で覆われなければなりません。
- 継ぎ目が良く密閉されている場合に気密層として、また防湿層として働きます。
- 土地価格が高く、高いRSI値が要求される地域に限定的に適する。
フェノールフォームボード
- フェノール・ホルムアルデヒド樹脂から製造され、両面に防水皮膜を持つパネルもあります。
- 土地価格が高く、高い熱抵抗値が要求される地域に適する。
- 0.030/mmの典型的な熱抵抗値(オープンセル)。0.048/mm(クローズドセル)(メーカーの 説明書に基づく)
- 日光と水への接触から保護されなければなりません。
スプレーフォーム断熱材
この種の断熱材は専門業者によって工事現場で混合されます。液体の泡は、建物表面上に直接スプレーされ るか、あるいはポンプによって運転されたスプレーガンを使用して、囲まれた穴へ注がれます。泡は適所に拡大し、数秒でセットします。施工業者は特定の製品の施工に精通していなければなりません。
発泡ポリウレタン
- 冷媒ガス(フルオロカーボン)を含んでいる独立した黄緑色の気泡
- 典型的な熱抵抗値0.042/mm。他の値が使われることがありますが、ここに示した値は、時間が経過した後の冷媒ガスの損失を考慮に入れています。
- 厚さ50mm未満の層で表面にスプレーし、数秒で強固になります。
- 元の大きさの28倍以内に膨らみ、密室で使用してはなりません。
- 気密層として使用することができますが、防湿層としては使えません。
- 長時間の日射から保護されなければならず、屋内で使用されるときは不燃材料で覆う必要があります。
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※ 熱抵抗値/mm |
材料の厚さ1mmあたりの熱抵抗値
この数値に材料の厚さを掛けるとその材料の熱抵抗値が得られます。
また、必要な熱抵抗値をこの数値で割ると必要な断熱材の厚さが得られます。 |
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