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おもてなし 室内の環境は訪れるお客様にやさしいですか
このセクションで取り上げる建物は住宅以外の事業用のものです。
建物を造る目的を「入れ物=箱を造る」ことと考えていた時期がありました。そのような考え方
では、大きい建物を如何に安く作るかが問題でした。しかし、建物を造る目的の中にはそこを訪れ
る人、そこで働く人たちに快適な環境を提供することも含まれています。
暮らしやすい家造りに断熱が重要なように、業務用の建物でも断熱は訪れる多くのお客様や働く
人に優しい環境をローコストで実現する糸口になります。
私自身、断熱と室内環境を考えるときに経済性や耐久性の面から話をはじめることが多いのです
が、良い室内環境を造ることはそこを訪れる人に対する思いやりともてなす心の問題なのかもしれ
ません。
ここでは先ず医療施設・人福祉施設、ホテル・旅館・宿泊施設を取り上げ、オフィスビルなどに
ついても順次説明を充実させます。
医療施設・老人福祉施設
外来部門では様々な疾患を持つ外来患者・座ったまま何十人の患者を診察する医師・甲斐甲斐し
く動き回る看護婦さん、病棟には一日中ベッドの上で天井を見上げて暮らす入院患者・見舞い
客・・・・医療施設には多くの状態の人がいます。
そして、病棟は24時間・外来部門も一日の半分以上空調がかけられほぼ一定な温度に保たれて
います。
養護老人ホーム・介護ホームなどの老人福祉施設でも、病棟と同じような空調が行われます。
ホテル・宿泊施設
ホテル業界は派手な外見の裏で、外部から見ると「そんなにセコイの?」と言われるほど経費削
減のための努力をしています。
カードキーを入れないと電灯のスイッチが入らないのは当たり前、高圧受電した電気を自前の変
圧設備を使って機器作動に支障のない極限まで下げ、消費電力の削減と設備機器の寿命延長を図
る。トイレの洗浄タンクにレンガやビール瓶を入れて洗浄水の量を減らす。などどこでもコスト削
減を図っています。
しかし、日本で空調エネルギーの節約を図ったケースを見つけることは先ず出来ません。
空調機が唸りを上げ、温度の高すぎる部屋で、窓を開けて冷たい外気を取り入れないと快適な温
度にならないといったホテルが数多く存在します。
熱損失が大きく、熱容量の小さい建物は熱を発生し続けないとすぐに温度が下がります。そし
て、昔スト部の近くだけが暖かく・遠くへ行くと寒かった部屋と同じように、空調機のそばは冬は
暑過ぎ・夏は寒過ぎるほど空調が効いています。断熱性能の低い建物では空調に大きなエネルギー
費用がかかり、温度差が原因になる室内環境問題が多く発生します。
オフィスビル
「オフィスの室内環境」をキーワードにしたとき、皆さんは何を思い出すでしょうか?
夏なら「冷房病」、冬なら効きすぎる暖房といったところかもしれません。一見断熱とは関わり
のない問題に見える空調バランスの問題ですが、実は断熱とも深く関わっています。
最近のオフィスビルは高層化・システム化の流れの中で鉄骨造でガラスを多く使ったものが多く
なっています。外観は立派でも、一枚板のガラス窓を持つ吹き抜けは夏は日照りで暑く、冬はコー
ルドドラフトのため寒くて仕方がない。ビジネスマンがそうこぼしている最新のオフィスビルを幾
つも見てきました。
ベルリンのポツダム広場に日本のソニーが所有するオフィスビル群「ソニー・プラザ」がありま
す。日本で言えば「六本木ヒルズ」のような建物群ですが、エネルギー消費の面ではベルリンの方
がはるかに省エネ性が高くなっています。
鉄骨系建築物は木造外張り断熱と同じような断熱方法を採用します。
壁の断熱性能を高めるとともに、ペアガラス・日射ルーバーなどを使って全体的な熱負荷を減ら
し、面積あたりの空調需要を抑えること、OA機器など熱の発生源に見合った冷暖房をすることが
快適なオフィス環境を実現します。
レストラン・飲食店
「食事」は人間が根源的に持つ生存欲求を満たす時間です。
暖色系の色彩が食欲を増すといわれるように、野生動物や家畜と違って、人間の食欲は環境に大
きく影響されます。
どんなに豪華な食事が提供されたとしても、空調の効きが悪かったり、あるいは効きすぎたりし
ていて料理を味わう気分になれなかった経験はありませんか?
ゆったりと寛げる食事空間は美味しい食事をより一層引き立て、お客様に大きな満足感を与えま
す。
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