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食事の引き立て役は?
12月に入って、年老いた母と昼食にレストランに出かけました。
新築されたばかりに見えるその店はいわゆるファミリーレストラン、二階のエントランスまでは
エレベータがあり、階段が辛くなってきた母を連れていても安心して入れる店でした。
昼少し前で、まだガランとした店内に入ると明るい窓際の席に案内されました。座敷のコーナー
では法事らしい黒い服を着た一組の団体が盛り上がっていましたが、広い店内は開店間もないと言
う雰囲気です。。
暫くすると母が「このお店寒いね」と言います。そう言えば曇った冬の日、広い窓に冷やされた
冷気を足元に感じます。
食事をしにお店に入ったとき料理の味に期待するのは当然ですが、それ以上にお店の環境は強い
印象を与えるものかもしれません。炎天下の夏ならひんやりとした、寒い冬ならほんのりと暖かい
お店に入ると、ほっとした気分になります。きっと砂漠を旅してオアシスにたどり着いた旅人もそ
んな安堵感を味わったのでしょう。
屋外が快適な春や秋はともかく、夏と冬にお店に入ったときに感じる温度と湿度の印象は、料理
の味以上に強烈なものだと感じました。
そういう目で店内を眺めると、このお店は開店の数時間前から空調を掛けていないと快適な温度
にできないようです。12月中旬の昼の寒さで窓際が寒いのですから、朝お店を開ける前の室内は
外気温度に近いところまで冷やされていることでしょう。
寒いのも暑いのも嫌ですが、ムッとするような暖房や冷房病になるほどの冷風を好む人もいませ
ん。空調は意識されないほどに効いているのが一番快適です。
快適な空調
多くのレストランは大きな窓を持っています。大きな窓は店内を明るくするうえに外の景色を眺
められ悪いものではありませんが、一番の問題は熱を通しやすいことです。
熱負荷の大きな建物では上下温度差が大きくなり、空調機から大量の熱を空気と一緒に吹き出し
ます。冬は床付近に冷たい空気が溜まり、夏は高いところほど高温になるうえに、空調吹き出し口
の周りは夏は寒く、冬は暑いといったクレームがあります。落ち着いて食事ができる環境はなかな
か実現できません。
どうすれば、快適な環境が作れるでしょうか?
それには、建物から熱を逃がさないこと、建物の蓄熱性をたかめることです。
窓ガラスをペアガラスにして、床と天井をしっかり断熱する。これだけで空調に必要なエネルギ
ーはこれまでの数分の1に減らすことができます。さらに、建物の構造物を蓄熱体として利用すれ
ば、同じ熱損失があったときの室温の変化を減らします。
経費節減
断熱の良い店は経費を減らします。これを書いている2005年10月数年前に90円/lほどで売られ
ていたレギュラーガソリンの価格は130円/lに迫っています。ガソリン税約54円を引けば36円か
ら76円に倍以上の値上りです。灯油の値段も一時の倍近い値段になっていますし、電力料金にして
も今後上昇傾向になるでしょう。
省エネによるエネルギーコストの削減は化石燃料の枯渇を前にしたこの時代に最も効率の良い経
費削減策になります。
断熱性能を高めることで建築費はいくらか多くなりますが、空調設備や毎年の冷暖房にかける費
用は数分の一に減り、お客様の満足感が増える以上に大きな経費の節減が実現します。
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