|
有限会社 日本外断熱総合研究所 > 断熱・気密・防湿 >マニュアル 4-2快適な家造り掟破りのテクニック(2/3) |
|
快適な家造り |
 |
掟破りのテクニック |
|
|
・ 総合編 ・ コンクリート造編 ・木造編 |
|
|
内断熱では床や間仕切り壁と外壁の取り合い部分が断熱されない熱橋になります。内装の石こ
うボードの熱貫流抵抗を計算から除外すると、ウレタンで25mm断熱した一般の壁部分の熱貫流抵
抗1.26m2K/W程度に対し、熱橋の熱貫流抵抗は0.13m2K/Wと一般部分の約1/10分しかあ
りません。熱橋の面積は壁全体の面積の1割程度ですから、壁全体から失われる熱と壁の1割の
面積しかない熱橋から失われる熱がほぼ等しいことになります。
床や壁を外壁から50cmほど断熱補強する例が増えていますが、断熱北欧した熱橋の熱貫流抵抗
は0.48m2K/Wとやや大きくなりますが、それでも1割の面積を持つ熱橋から壁の40%もの熱が
失われます。この比率は壁の断熱材の厚さを増すほど大きくなります。
しっかり断熱して省エネを図ろうとするほど熱橋から失われる熱エネルギーの比率が大き
くなり思ったほど断熱効果が上がらない。熱橋を持つ内断熱工法はこういうジレンマを持つ工
法です。
「省エネを図るためにもっと断熱を良くしたい」と考えたとしたら、「適切な断熱工法は外断
熱工法に絞られている」と言って間違いありません。
建物全体を保温するように断熱材ですっぽり包む外断熱工法では、熱容量の大きいコンクリー
トが熱を蓄え建物内部の気温を平準化するので室内温度差の少ない快適な室内環境が実現しま
す。
また、強力な防湿層であるコンクリートは室内の水蒸気が断熱材の中に漏れ出さないようにす
るので低温になる断熱材の中でも、常に暖かく保温されたコンクリート部分でも冬型結露を起こ
さない効果があります。 |
|
|
「断熱材の厚さはどれだけにすれば合理的か?」
理屈は簡単です。
建設費・空調維持費・修繕費の合計を抑え、耐用年数を延ばして建物のライフサイクル
コストを最小にする。
たったこれだけのことですが、具体的な金額が計算できるのは建設費と現在の年間空調費だけ
です。
外断熱の建物は内断熱の建物に比べて雨や温度変化に伴う躯体の風化が少ないので躯体修繕費
は少なくて済み、耐用年数は3倍以上あると考えられていますが、具体的に信頼できる数値は手
に入りません。
そこで、建設費と空調エネルギー費の差額のみを比較材料として、ローン返済期間の壁面積1
m2あたりの支払額を比較すると東京の湿式外断熱工法では75mmで 762円、乾式外断熱工法では
100mm断熱で 1,589円、内断熱工法では断熱厚さ50mmで 836円でそれぞれ最小になるという結果に
なりました。
(断熱の良い家造り講座>断熱の基礎知識>「断熱厚さの最適化」参照)
それぞれの工法は外装仕上も異なりますし、ローン返済後の建物の残存価値も異なりますから
工法間で価格を比較してもあまり意味がありません。
外断熱工法の建物の修繕コストは内断熱工法の建物よりも少なく、上に示したよりも実際のラ
ンニングコストは外断熱工法の方が少なく、ローン返済後手元に残った建物の資産価値は外断熱
工法のもののほうが大きいことは確かだろうと言えると思います。
建物の耐久性がローン返済期間より充分に長いことを考慮すると建設費よりも空調エネルギー
費のウエイトを増やしてよいことになるので、 100mm以上の厚さを持つ断熱材を使えばほぼ所期
の断熱性能が得られるものと考えています。
これだけの断熱性能があれば、空調エネルギー費の節約を考えながら空調を我慢することもな
いので、安心して快適な暮らしを楽しむことができます。 |
|
|
バルコニーなどの熱橋を適切に処理した外断熱工法では冬の結露が起きる心配はありません。
しかし、夏の水蒸気圧が高くなる関東甲信越以西の臨海地域や、常時気温が低く突発的に水蒸気
圧が高くなる地域では躯体温度よりも外気の露点温度が高くなることがあり、夏型結露(逆転結
露)が起きる恐れがあります。
地域別の最高露点温度について詳しいことは「日本の気象と断熱工法」をご覧ください
夏型結露が心配される地域では繊維系断熱材を避け、透湿抵抗の大きい発泡樹脂系断熱材をお
使いになることをお奨めします。
夏型結露と使用する断熱材の関係については、断熱の良い家造り講座>コンクリート造の断熱
>「四つの外断熱工法」で解説しています。 |
|
|
外断熱工法で断熱したコンクリート建築物の空調特性では大きな熱容量が重要な意味を持ちま
す。
使われたコンクリート全体が蓄熱体になるので、戸建て住宅では面積あたり内断熱建築物の約
8倍の熱容量があります。
温度の変化する幅は失われた(加えられた)熱の量に比例し、熱容量の大きさに反比例します
から、Q地が小さく熱容量が大きいほど室内の温度変化が少なくなります。
|
|